バロー岬沖での観測機器の設置作業=2024年9月(海洋研究開発機構・北極域研究加速プロジェクト提供)
太平洋から北極海の「カナダ海盆」へ入る海水の熱輸送量は過去約20年で1・5倍に増えたことが分かったと、海洋研究開発機構などのチームが13日、国際誌に発表した。海中に設置した観測機器のデータを分析した。流れ込む水温の上昇に加え、北極海の海氷減少によりさらに水温が上がっているとみている。
伊東素代副主任研究員は「海洋温暖化は複合的な環境変化を起こし、生き物に影響を与える。観測を続けることが重要だ」としている。
地球温暖化の影響で北極海の海氷は減少し、特に太平洋側で大きく減っている。チームは、太平洋からベーリング海峡を通った海水が主に流れ込む米アラスカ州のバロー岬沖で、海水温と流速の計測を2000年に始めた。
流速に変動の傾向はなかったが水温は長期的に上昇していた。海洋熱輸送量も増加傾向にあり、00~22年で1・5倍になった。人工衛星の海面水温のデータなどから、熱輸送は10年代後半から急増したことも判明した。
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