ウクライナのゼレンスキー大統領(ロイター=共同)、トランプ米大統領(ゲッティ=共同)
【ワシントン共同】トランプ米大統領は28日、ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領と米南部フロリダ州の私邸で会談し、米国の仲介で策定中の20項目の和平案を協議した。トランプ氏は冒頭、協議は「最終段階にある」とした一方、期限は設けないと述べた。激戦地のウクライナ東部ドネツク州の扱いや、ロシアが占拠する南部ザポリージャ原発の管理を巡る立場の相違を埋められるかどうかが焦点だ。
米欧は、戦闘終結後にウクライナに「安全の保証」を提供することで一致し、その具体策を協議している。トランプ氏は、安全の保証に関して「強力な合意」が実現するとの見通しを示した。ゼレンスキー氏は「できるだけ早い和平の実現を望む」と語った。
トランプ氏は会談に先立ち、ロシアのプーチン大統領と電話会談した。交流サイト(SNS)に「良好でとても建設的」だったと投稿した。
米ロ首脳は和平交渉で作業部会を設け、来年1月上旬に具体的な枠組みを決めることで合意した。ロシアのウシャコフ大統領補佐官はドネツク州を含むドンバス地域について「前線の情勢を考慮し、ウクライナ政権は遅滞なく決断すべきだ」と要求。軍撤退や領土割譲を求めたとみられる。
トランプ氏はゼレンスキー氏との会談後、再びプーチン氏と電話会談する意向を示した。
ゼレンスキー氏は、ドネツク州でウクライナが統制下に置く地域から軍部隊を撤退させ、非武装の「自由経済地域」を設置するとの米国案を受け入れる用意があるとの考え。ただ、ウクライナ軍が撤退するのと同じ距離だけロシア軍が退くことが条件だとしている。
米ウクライナ首脳会談では、ウクライナの復興計画を含む経済分野も協議。トランプ氏とゼレンスキー氏は会談後、欧州各国の首脳らと電話会談する予定だ。
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