結婚、退職、出産、子育て、介護、1人暮らし……。悩みや不安、喜びを胸に、交差する道を1歩ずつ踏みしめて”生きていく”女性の姿を描いたルポ。
※大分合同新聞 朝刊家庭面 2008(平成20)年4月3日~2009(平成21)年3月19日掲載
結婚、退職、出産、子育て、介護、1人暮らし…女性は長い人生の中でさまざまな”交差点”に立つ。その時、女性たちはどんな方法で自分の行き先を選んでいるのだろうか。悩み、不安、喜びを胸に、交差する道を1歩ずつ踏みしめて”生きていく”女性の姿を描...
お金を持つのがこわい。きっと、私はまた使ってしまう。ついこの間も、手持ちのお金がないのに携帯のショッピングサイトを眺めていた。商品購入をクリックした後、じっとりと嫌な汗をかいている自分に気が付いて、鳥肌がたった。お金がない自分を分かってい...
1日付本欄掲載「女の交差点・増える依存症」に読者から寄せられた感想の一部を紹介する。 買い物好きな女性は多いと思うので、そういう方向に進んでしまう人もいるかもしれない、と思った。...
県内に住む美佳(35)=仮名=が結婚したのは27歳の時。友達の紹介で知り合った2歳年上の隆=仮名=は、長身で一般的にかっこいいタイプだが、子どもっぽいところや頼りがいのなさが最初、美佳には物足りなかった。 何度か食事をするうち、口数が...
5日付本欄に掲載した年間企画「女の交差点」では、セックスレスにまで踏み込み、結婚生活が破たんしていく夫婦の様子を女性側から描いた。包み隠さずに話をしてくれた美佳さん(35)=仮名=に共感する部分もあったが、「その時、夫はどんな気持ちだった...
県職員の理絵(32)=仮名=が6歳年上の夫と出会ったのは29歳の時。子どもは付き合い始めた時からほしいと思っていた。「できちゃった結婚になってもいいな」。そんなふうに考えていた。 だが、半年すぎても妊娠の気配はない。「なんでだろう…」...
3日付本欄に掲載した年間企画「女の交差点」では、県職員の理絵さん(32)=仮名=が不妊治療の苦しみや妊娠の喜びを語ってくれた。 不妊は女性の問題だとまだまだ思われがちだが、理絵さん夫婦のように、最近は男性不妊が増えている。取材を通...
月のない夜だった。 夫の正孝(34)=仮名=のかばんを見ようとして、もみ合いになった光代(35)=仮名=が次に見たのは、夫の拳だった。 顔面に続けて2、3発。光代はかばんを放さなかった。さらに正孝の拳に力がこもった。 何回殴ら...
7日付本欄掲載の年間企画「女の交差点」では、親しい間柄の異性から振るわれる暴力によって追い詰められるドメスティックバイオレンス(DV)について取り上げた。掲載後、「自分もDVを受けたことがある」「娘は今、DVが原因で実家に帰ってきている」...
生まれたばかりのわが子を抱いたときのぬくもりを和歌(32)=仮名=は、いまでもはっきり覚えている―― 和歌は23歳のとき幸正=仮名=を出産した。夫の仕事の都合で県内に引っ越してきたばかりだった。 妊娠7週目、突然出血。切迫流産の可...
4日付本欄の年間企画「女の交差点」では、自閉症のわが子と向き合う和歌さん(32)=仮名=にスポットを当て、葛藤(かっとう)や苦悩を乗り越え、喜びを感じられるまでになった体験を掲載した。 読者からは「〝障害は宝物〟というお母さんに心を打...
「好きな人ができた。彼女を幸せにしてあげたい」 敦子(42)が夫から突然、別れ話を切り出されたのは8年前。結婚して5年目のことだった。 夫とは2年間の遠距離恋愛を経て29歳で結婚した。4歳の長男と生まれたばかりの長女の4人家族で、...
2日付本欄「女の交差点」では、シングルマザーの敦子さん(42)=仮名=が、子育てと仕事の両立に奮闘する姿を書いた。 読者から「夫の勝手な理由で離婚するのに慰謝料と養育費をもらわないのはおかしい。養育費の支払いは親の義務であって子の権利...
投げ付けた茶わんが、足元で音を立てた。 「なぜ、知らんふりをするのよ!」 それは由美子がアキレスけんを切り、松葉づえの生活をしていた時のこと。はうように皿を片付けていた由美子の隣で、平然とテレビを見ている昭一を見て、由美子はかっと...
もし、愛する家族が認知症になったら――あなたはどうしますか? 6日付本欄の年間企画「女の交差点」では若年期認知症を発病した夫・足立昭一さんと共に生きる妻・由美子さんの姿をつづった。次第に進む病気への恐怖、不安、自分自身の健康……多くの...
乳房にしこりを感じたのは昨春のこと。「両親をがんで亡くしているけど、まさか私が?」。大分市で保育士として働いていた山本克枝さん(51)は、恐る恐る病院に足を運び、初めて乳がん検診を受けた。 しこり自体に異常はなかったが、検査を進めるう...
4日付本欄の年間企画「女の交差点」では、乳がんと闘うことで人の優しさ、家族の大切さを知り、生きる意味を見つけた山本克枝さん(51)の姿をつづった。寄せられた感想の一部を紹介する。 ▽私も数年前にしこりが見つかり、検査を受けました。...
「お父さんが迎えに来たのかなぁ……」。夏の夕暮れ、無数に舞う季節外れの赤とんぼを眺めていると、ふと、亡くなった父の顔が浮かんだ。同時に、言いようのない不安感に襲われ、鉄の塊が載ったように頭が重たくなった。 2000年7月26日。紘子=...
8日付本欄の年間企画「女の交差点」では、更年期の抑うつ状態からうつ病を発症、苦しみながらも生きる気力を取り戻し、“第2の人生”を謳歌(おうか)している紘子さん(59)=仮名=の姿をつづった。「まさに今、自分が味わっている気持ち」「経験しな...
愛していた。そして、今も愛している。 15年前に亡くなった夫、井口兼夫のことを思うとき、順子(73)=別府市=は2人が出会った43年前と変わらない自分を感じる。 ▽ ▽ それは、運命だった。最初の夫と離婚後...
5日付本欄の年間企画「女の交差点」では、人生を共にした夫との死別を乗り越え、前向きに生きる井口順子さん(73)=別府市=の姿を追った。 掲載後、死んで15年たっても色あせることのない夫婦の愛、順子さんへの温かい励ましなど、読者から多数...
アメリカ、カナダ、イタリア、フランス……。結婚して12年。清一(77)=仮名=と旅した国は、どれくらいになるだろう。 昨春行ったペトラ遺跡(ヨルダン)の前では、小柄な照子(62)=仮名=の傍らで赤いジャンパーを羽織った清一がほほ笑んで...
5日付本欄の年間企画「女の交差点」では、離婚をし、女手一つで息子を育て上げ、50歳の時に再婚した照子さん(62)=仮名=にこれまでの人生を振り返ってもらった。 照子さんは「苦労したことはすべて今の幸せにつながっている」と、ほほ笑んで話...
昨年4月から毎月1回、1年間にわたって連載した年間企画「女の交差点」が3月で終了した。 企画、取材したのは文化科学部の女性記者たち。取り上げたテーマは「出会い」「依存症」「セックスレス」「不妊」「ドメスティックバイオレンス(DV)」「...
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