広瀬勝貞知事(80)=当時=が5期20年の今期限りで退く。県政運営の成果や残った課題は何だったのか。郷土はどう姿を変えたのか。知事選(2023年3月23日告示、4月9日投開票)を前に、地域や産業などの現場から見つめる。
※大分合同新聞1面 2023(令和5)年3月1日~3月20日掲載
今期限りで引退する広瀬勝貞大分県知事(80)が在任した5期20年間で、県の姿はどう変わったのか。県民の暮らし、仕事、健康などに関するデータの移り変わりを追うと、進む少子高齢化や人口減少を背景に、さまざまな基盤が縮小している実態が浮かぶ。 ...
広瀬勝貞知事(80)が4月に退任し、大分県は20年ぶりに新しいリーダーが誕生する。大分合同新聞社は県民アンケートを実施し、5期20年にわたる広瀬県政の評価を尋ねた。100点満点の採点で、回答した計1,082人の平均は70.3点。安定した県...
晴れた穏やかな湾に重機の音が響く。2月下旬、佐伯市蒲江の竹野浦河内地区。解体工事のフェンスが県の旧マリンカルチャーセンターを囲む。 県が約80億円をかけて、県南観光の振興に向けて1992年に開いた。マンボウ公開でにぎわいも見せたが...
竹田市役所の北西約5㎞の山あいに広がる明治地区。13自治会に計311世帯597人が暮らす。 この20年余りで住民は200人以上減り、65歳以上の高齢者は5割を超える。自治会によっては人手不足が進み、通行の妨げになる木の伐採や草刈り、農...
豊後大野市三重町宮野の宮尾集落。大野川支流が流れる谷あいには田園風景が広がる。水田の維持と管理は地元住民36人が2006年に設立した「集落営農法人みやお」で担う。主に飼料用稲を作り、経営面積は設立当初の2倍の12haに広がった。高齢化や後...
「今日はどんな症状ですか」。大分市横田の薬局で、薬剤師の野中牧さん(41)が親子に語りかけた。 野中さんは2児の母で経営者の顔も持つ。薬剤師と薬局・病院をつなぐ会社「薬けん」(別府市)を2017年に開業、19年に法人化した。希望日...
1日、大分市寿町の大分県立美術館では、来場者400万人達成を祝うセレモニーが開かれた。くす玉を割る関係者からは笑みがあふれた。 2015年の開館以来、新型コロナウイルス禍の影響はあったものの、毎年、50万人の年間目標をおおむね達成。...
自動車関連企業が多く立地する大分県北部。宇佐市の岡本自工は市内に4拠点を構え、2004年に進出した「ダイハツ九州」(中津市)など北部九州の自動車メーカーと取引する。創業者の岡本勝美会長(79)は「この20年で産業集積は大きく進んだ。地方...
「いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ」 7日、大分市東大道のさくらの杜高等支援学校。流通・販売コース1期生の男女16人は、接客や料理を運ぶ実習に臨んだ。 昨年4月に開校したばかりの同校は、知的障害がある生徒の就労支援に特化し...
「世界からお客さまがやってくる。保養地・由布院の“らしさ”を出しながら迎える準備をしたい」 9日、由布市役所であった「YUFU SPACE(ユフスペース)コンソーシアム」の発足式。同団体理事で、市まちづくり観光局代表理事の桑野和泉さ...
大分県内は2004~05年度に「平成の大合併」が一気に進み、58あった市町村が18になった。9市町村が一緒になり、九州で一番広い市になった佐伯市。山間部にある宇目振興局には現在、職員13人が配属され、宇目町役場だった04年度と比べて68人...
「黄色のテープの長さは12㎝で、赤色テープの4倍です。赤の長さは?」 9日、日田市諸留町の有田小。3年1組の算数の授業で、担任の小野一輝(かずき)教諭(29)が児童約30人に問いかけた。割り算の活用を理解してもらうのが狙いだ。 ...
「社長を離れて、表情が柔らかくなったのでは」 2月上旬、サッカーJ2大分トリニータの関係者がシーズン開幕前のあいさつに大分県庁を訪れた。広瀬勝貞知事(80)は、元県職員でチームを運営する大分フットボールクラブ(FC)の榎徹前社長(6...
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