やっとここまで来た!中国雑技芸術団/団長・徐 領義が日本初自主公演「来・来・来!2026」を開催
        
日本を中心に活動している中国雑技芸術団が、2026年3月13日、調布市グリーンホールにて日本初となる自主公演を行う。
団長、徐 領義(じょ りょうぎ)は「日本で初めて開催する自主公演なので、今からわくわくしている」と語る。
徐がこの単独公演を開催するまでには、文化大革命下での修行時代、四世野村万之丞さん、そして五世野村万之丞さんとの出会いなど、59年にも及ぶ歴史があった。

団長 / 徐 領義
5歳で武術と京劇を学ぶ
1957年に中国の北京で生まれ、5歳の時父から武術と京劇を学びました。家族は芸能一家だったため、私が学ぶのは決まっていましたし、周囲の同業の家族も同じでした。日本の歌舞伎に近いところはあると思います。練習は朝5時に始まり、真っ暗になるまでやります。そのせいで喘息になってしまいました。

父から武術を学ぶ徐
文化大革命期も修行は続く
10歳のころ文化大革命が起きました。これにより国の姿は一変しましたが、少しずつ労働などが開放されてきました。だんだんと芸術家の自由度が増してきて公園などに集まって練習ができるようになりました。お客さんの前で上演できるようになったのは1969年ごろからです。
世界の舞台で京劇を披露!ギリシャ、チュニジア、トルコで公演
1976年ごろ、19歳の時に北京京劇団に入団しました。世の中の状況も変わり、ギリシャやチュニジア、トルコをまわりました。芸術を世界に披露でき、本当に中国は変わったのだと実感しました。

トルコで上演した際の集合写真。前列一番左が徐
押し出されて初舞台へ
初舞台は北京の大衆劇場でした。その時のことはよく覚えています。緊張しているのと怖いのとで舞台袖で固まってしまい、しまいには先生に背中を押されて舞台に上がりました。
演じたのは水滸伝の「武松」です。素手で人喰い寅を退治した人物で、団の中でも若くて武術ができる人が演じます。初舞台を終え「これで自分も芸人としての一歩を踏み出した」と感じました。
中国京劇団として日本へ
日中国交正常化10周年の1982年に、中国京劇団の代表として日本に初めて行きました。25歳でした。日本に行くのは初めてで、「アジアにこんな発展した国があるのか」と驚きました。日本が気に入り、先に住んでいた雑技役者で兄の領民を頼って30歳になる年に日本に住み始めました。
四世、五世野村万之丞さんとの出会い
この頃狂言の野村家と知り合い、日本の狂言に出演しました。1992年に国立能楽堂で行われた公演に北京京劇院の一員として参加しました。「唐人相撲」という演目でした。
その公演には野村萬さん(四世野村万之丞)と野村耕介さん(五世野村万之丞)も出演しており、五世野村万之丞さんとは一緒に狂言をつくりました。
五世野村万之丞さんは、オリジナル狂言の創作や新劇舞台への出演など既存の枠にとらわれない活躍をしており、「狂言界の風雲児」と呼ばれていました。のちに長野オリンピックの閉会式の演出もされています。
五世野村万之丞さんは新しい狂言の形として京劇を取り入れることを考えており、協力することになりました。一緒に狂言をつくり、NHKホールで「大田楽」を上演しました。

五世野村万之丞さん(左)と当時30代の徐 領義

五世野村万之丞さんと狂言の稽古に励む徐

五世野村万之丞さんと一緒につくった狂言は、NHKホールなどで上演した
「変面」を日本で初披露、あの「燃焼系CM」の演出も
中国の芸能のひとつに、一瞬で顔が変わる「変面」がありますよね。日本で初めて、お客さんの前で「変面」を披露したのは私なんです。2000年ころ、学校の芸術鑑賞会で披露しました。見ていた生徒はとても驚いていましたね。またサントリーフーズのスポーツドリンク「燃焼系アミノ式」のCMで、腕の力だけでポールを登る「上昇サラリーマン」や男性の頭上で子供が回転する「頭上風車」などが話題になりましたが、その演出も行いました。

「変面」を日本で初めて披露したときの集合写真


「燃焼系アミノ式」CMの「頭上風車」の演技指導を行う徐
2026年3月13日、調布市グリーンホールで初の自主公演。目玉は中国と日本の伝統芸能のコラボ
2026年の3月13日に、調布市グリーンホールで、初めての自主公演を行います。
今まで学校や企業イベントなどから声がかかり公演を行うことはありましたが、自分でやりたい演目を決める公演はやったことがないので、初めてのチャレンジです。自分が小さい時から学んだことを全て注ぎ、プロデュースしたいと考えています。
特に今回の公演の目玉は六つの大会で日本一に輝いた和太鼓奏者の江下光利さんと、和太鼓集団「横浜太鼓座」と雑技とのコラボレーションです。中国と日本の伝統芸能が合わさる様は、見ものだと思います。また京劇は私が演出し、「スーパー京劇」として初めて実施する形式になります。ぜひみなさんに足を運んでいただきたいと思います。

国内の和太鼓大会で、六度の優勝を果たした江下光利さんが出演
「来・来・来!2026」公演概要
■日時:2026年3月13日(金)18:30~
■会場:調布市グリーンホール
■「来・来・来!2026」公式HP:https://rairairai26.com/
■「来・来・来!2026」公式Instagram:https://www.instagram.com/rair.airaila/
■チケット購入はこちらから:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=253949
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