【日出】日出町の辻間団地北区(古田幸雄区長、132世帯)が、無料の交通サービスを運用している。地区でワゴン車を購入し、ボランティアのドライバーが町中心部などに送迎する。路線バスの廃止や高齢者の運転免許証の返納により、地域の移動手段確保は大きな課題。住民主導で交通手段を確保するのは県内では珍しい。
古田区長(73)によると、同地区は高台にあり、一部が土砂災害警戒区域に指定されている。高齢者や車椅子利用者ら災害弱者の避難のために、数年前から対策を検討してきた。
昨年9月、地区内を走る国東観光バスの辻間団地線(別府医療センター―町内会下)が赤字のため休止。町のコミュニティーバスと予約制の乗り合いタクシー事業は同地区もカバーしているが、利便性を向上させるため独自にワゴン車の運行を始めた。
事業の名称は「無料ふれあい交通」。団地西区停留所と福祉センターを結ぶ。JR暘谷駅や町役場、商業施設、病院を経由する。運行は週4日。月曜日が午前7時40分から午後3時まで。水・木・金曜日は午前7時40分から午後6時まで。1日10便で定員は7人。20年間、無事故無違反の元タクシードライバーら、古田区長を含む3人の地区住民がボランティアでハンドルを握る。
8月から運行をスタートし現在、1日の平均乗車数は高齢者を中心に10人。時間帯は午前8、9時が多く、通院や買い物で利用するという。JR暘谷駅から利用した60代と70代の女性は「予約が取れなかったり、便数が少なかったりで乗り合いタクシーとコミュニティーバスは使い勝手が悪い。便利で助かっています。ずっと続けてほしい」と話していた。
「停留所にいたら周辺地区の住民も乗せています。感謝されると励みになる。今はワゴン車を運転しているが、体力が衰えれば私も利用する立場。次の世代に引き継いでもらいたい」と古田区長。運行状況を調査して発着時間や停留所の設置場所を見直す。
町まちづくり推進課の坂西和宏課長は「行政だけでは支え切れない地域交通を住民自らが補う新たな試み。モデルケースになってほしい」と期待している。
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