「PRは、信頼獲得のための最大の経営投資」。産廃業を営む竹下産業が15年間発信を止めない理由

■PRや情報発信に対して消極的な企業が多い業界で、「あえて」そこに投資

今は誰もがスマートフォンやパソコンからいつでも、即座に情報を手に入れられ、企業も自らメディアとなって言葉を届けられる時代です。しかし、当社が身を置く産業廃棄物処理業界は、15年ほど前まで、情報発信に対して消極的な企業が多い世界でした。


BtoBの取引が中心で、かつ長い歴史を持つ企業が多いこの業界では、一度構築された取引先との関係が長年続くことも珍しくありません。また、清掃会社などが産業廃棄物の収集までパッケージで営業する商習慣もあり、業者側が積極的に動かずとも、安定して仕事が舞い込むという側面もありました。そのため、あえてコストをかけてまで会社をPRする必要性が低く、情報発信に注力する企業は稀だったのです。


そんな中、東京都足立区で創業し、90年以上にわたり産業廃棄物処理事業を営んできた竹下産業は、約15年前から情報発信に力を注いできました。


代表である私、竹下敏史の経営哲学や社会課題への考えを綴ったnoteの定期配信。既存顧客との接点を保ち続けるメールマガジンの送付。さらに、現場の困り事を解決するためのSEO記事の展開や、コーポレートサイト内に様々な専門家によるコラムコーナー「賢人の思考」を設置。同業他社の多くが車両や設備への投資を優先する中、当社は情報発信をそれらと同等の重要な支出先と捉え、その道のプロへの依頼にリソースを注いでいます。


今回は、私がこれほどまでにPRや情報発信に力を入れる理由と、地道な継続がもたらした変化についてお伝えします。

■対価の本質は「信頼」と「安心感」。情報発信で依頼を後押しする根拠を作る


私が情報発信に本格的に力を入れ始めたのは、3代目社長に就任した2011年のこと。最初の一歩はコーポレートサイトの制作でした。「これまで接点のなかったお客様にも自社を知っていただきたい」という思いがきっかけです。


その後、業界の常識だった「足で稼ぐ営業」を廃止し、営業マンゼロの「ウェブマーケティングによる集客」へと全面移行。広告施策により、認知度は着実に高まっていきましたが、一方で新たな壁にぶつかりました。今やホームページを持つ企業は無数にあり、ただ企業やサービスについて紹介するだけでは、数多ある同業者の中で埋もれてしまうことに気付いたのです。


では、他社と圧倒的な差別化を図り、選ばれる存在になるためには何が必要なのか。考え抜いた末に辿り着いた答えが、「いかに信頼できる会社であるか」を証明することでした。お客様が支払う対価の本質は、単なる廃棄の「作業料」ではありません。目に見えない自社の大切な情報を託す以上、「確実に処理してくれる」という絶対的な信頼と安心感を求めています。だからこそ、「この会社なら安心して、任せられる」と確信してもらえる情報を自ら発信していくしかないと考えたのです。


一方で、営業マンがおらず、お客様と直接会って話す機会がないため、ネット上の情報だけでその信頼を担保しなければならないという課題もありました。そこで、経営者である私自身の想いや社会課題への姿勢を実直に言語化したり、社会の第一線で活躍する専門家との繋がりを示したりと、多角的なアプローチを試みてきました。

■多角的な発信の積み重ねで「タケシタなら安心」という確信を届ける


例えば、毎月配信しているメールマガジン。出発点は、担当者の退職によってご縁が途絶えてしまうという課題でした。現在は、季節ごとの困りごとへの解決策など、実用的かつ役立つ情報を目指して継続して届けています。メルマガを通じて関係を維持することで、数年ぶりにご依頼をいただくこともあります。



また、サイト内のコラム「賢人の思考」では、一流の専門家に寄稿いただいています。自社のサービスだけを紹介するサイトはどこにでもありますが、あえて自社の事業とは一見無関係な「読み物」を置くことで、訪問者が長く滞在したくなる場所を作ることを目指しました。同時に、様々なジャンルの専門家たちに寄稿いただくことで、「多角的な視点を持ち、各分野の第一線で活躍する方々と関係を構築している」という、信頼の裏付けにもなっています。



そしてnoteは、私自身の価値観をさらけ出す場です。隔週で、経営や社会課題について私自身の思考を言語化しています。SEO効果も期待していますが、それ以上に、誰かの心に深く刺さり新たなご縁へと繋がる「フック」になることを願って続けています。


異なる媒体で、異なる切り口から「タケシタなら安心だ」と感じてもらえる情報を積み重ねていく。こうした「発信の蓄積」は深い信頼感へと繋がり、ひいては担当者が社内で「なぜ竹下産業を選んだのか」を説明するための、“社内説得の材料”にもなると考えています。

■1本のnoteから全国誌へ掲載。「デジタルストック」でインナー向け効果も


地道な発信を続けた結果、少しずつ変化が表れるようになりました。取引先の企業や、知り合いの経営者などから「記事に共感した」という声をかけていただく機会が増えただけでなく、一本のnoteの記事がきっかけで経営誌『日経トップリーダー』の編集者の目に留まり、数ページにわたる特集記事の掲載が決まりました。小さな発信が、全国規模の媒体へと繋がったのです。


また、お客様は業者を探す過程で、当社が発信しているネット上の情報に触れている状態が多いため、ある程度会社への理解がある状態で商談が始まります。サービスはもちろん、仕事の姿勢や考え方に一定の理解や信頼をいただいた状態で対話を進められるという点もメリットだと感じます。社長就任時から業績が3倍にまで成長した要因には、この「発信の積み重ね」もあると思います。


さらに、情報発信の価値は社外に留まりません。note等の発信は、外部に向けて書いているものではありますが、「社長が今、何を考え、会社がどこに向かおうとしているのか」を共有するツールの一つにもなっています。


この、ネット上に自分の考えを意志を持って残すことを「デジタルストック」と呼んでいます。私の価値観をアーカイブしておくことで、もし私が明日突然この世界からいなくなっても、ネット上に残した言葉が組織の判断基準として生き続ける。社員が迷った時も、過去の発信を見返せばどこかに必ず答えがあるはずです。社長がいなくても会社が自律的に動き続ける、「自走する組織」作りにも繋がると考えています。

■レッドオーシャンな業界。徹底した情報開示で「ブルーオーシャン」を見出す

こうした現場で感じてきた「発信の重要性」を理論として裏付けるため、私は数年前の大学院の修士論文で「情報開示が業績を良くする」というテーマのもと研究を行いました。


そこで改めて浮き彫りになったのは、買い手と売り手の間に圧倒的な「情報の格差」があったという問題でした。産廃業は業界柄、機密性の高い情報を扱うため「開示」よりも「管理(隠すこと)」に重きを置いてきました。その特性ゆえ、どのようなプロセスで廃棄されているかという実態や、会社そのものの情報まで不透明なままの企業が多く存在していました。


そうした時代から、業者も多く、価格競争が続くレッドオーシャンな業界において一貫して情報の開示を行ってきました。その結果、競争軸をずらし、独自の「ブルーオーシャン」を見出すことができたのだという、学術的な示唆が得られました。

■一見「非効率」な投資。自身の言葉を「客観的な編集」によって整える

情報発信は結果がすぐに出るものではなく、その成果や価値も目に見えづらいものです。客観的に見れば、毎月の広報コストをかけるより、新しい収集運搬用トラックを購入する方が目に見えるリターンが見込めるため、この投資判断は一見「非効率」だと考える方もいるかもしれません。


しかし、私が迷わず情報発信に注力できたのには一つの理由がありました。それは皮肉にも、私自身に「学びが不足していたこと」です。


優秀な人、経営を深く学んできた人ほど、失敗の損害を緻密に計算してしまいます。一歩を踏み出す前にリスクを算出し、その大きさに怯えて立ち止まってしまう。しかし当時の私は、リスクを計算し尽くせるほどの賢さがなかったのです。だからこそ、一見すれば効率の悪そうな領域にも、躊躇なく飛び込むことができました。リスクを知らなかったからこそできたチャレンジが、結果として当社ならではの独自性を作ったのだと考えています。


また、これらの発信をする上で大切にしているのが、プロの外部ライターと連携し、私自身の想いや考えに客観的な視点を交えた編集を加えてもらうことです。自分の主観だけで語るのではなく、第三者の視点を入れることで、独りよがりではない「伝わる言葉」へと昇華させる。信頼を獲得する上での重要な投資だと考えています。

■単なる処理作業を超え、「物語への共感」を目指す


今、情報発信を通じて目指しているのは、単に顧客を増やすことではなく、「私たちの物語に共感し、竹下産業に託したいと思ってくださる方を増やすこと」です。単なる「ゴミの処理費用」として、価格やスペックだけを比べられるのではなく、その背景にある想い、社会への貢献、環境への配慮に対して対価を払いたいと思ってくれる方と仕事をしていきたいと考えています。


竹下産業にとって、情報発信は単なる広報活動ではありません。信頼を獲得し、組織を自走させるための「最大の経営投資」です。


私が大事にしている言葉に「誰にでもできることを、誰にもできないくらい長く続ける」というものがあります。愚直に、目に見えないものに投資し続けたことが、今の私たちを支えています。そしてこの地道な発信の積み重ねが、10年後、20年後の会社の未来を形作るものになると信じています。





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