ゆふいんビール=由布市湯布院町川南

おおいた酒蔵探訪記 みんなのGateリサーチ

2026年7月10日

 夏と言えば、やっぱりビール!

 最近はクラフトビールのブームもあって、小さな醸造所も増えています。そんな中、大分県内で歴史のあるブルワリー(醸造所)の「ゆふいんビール」を訪ねました。

 外国人観光客でごった返すJR由布院駅から歩いて約10分。1911年創業のホテル「ゆふいん山水館」の関連会社として、本格的な地ビールを製造しています。

 開設は1994年7月。
 酒税法の改正で、ビールの製造免許取得に必要な醸造量が「年間2000キロリットル以上」から「60キロリットル以上」へと大幅に引き下げられた年でした。
 小規模な業者が参入できるようにする規制緩和でした。

 そこに目を付けたのが当時の小野正文社長(故人)です。
 すでに湯布院町は人気観光地で、当時も多くの観光客でにぎわっていました。小野社長は「旅行客と地元住民が集まって、お酒を飲みながら交流できる場をつくりたい」。ずっと抱いていた構想がありました。
 そこに、ちょうど規制緩和のタイミングが訪れたことで誕生したのが「ゆふいんビール」です。ホテルのリニューアルに合わせ、レストランと醸造所をオープンしました。

 九州初の地ビール醸造会社で、観光業からの参入も全国で初めてのことでした。

大手ビールメーカの技術を習得

ビール造りの槽が並ぶ醸造所。佐藤栄昭所長

 元々は旅館業です。
 どうやって、ビールの製造技術を習得していったのでしょうか。

 そこには大手メーカーのサッポロビールの協力がありました。同社が埼玉県内の製造工場に設けていた小規模な醸造施設を使い、地ビール参入業者を支援するための技術指導をしていたそうです。

 現在、ゆふいんビールの醸造所長を務める佐藤栄昭さん(55)は1カ月ほど、その埼玉県にあった醸造施設へ通いました。「あらゆるノウハウを学びました。必要な設備や機械も譲り受けることができ、湯布院で使わせてもらうことになったんです」

 珍しい地ビールは各地でブームとなりました。ゆふいんビールでも、しばらくは平日でもホテルの敷地外まで長蛇の列ができ、製造が追いつかないほどだったそうです。

麦芽100%の変わらない味

ビール造りに使用する麦芽

 醸造所はレストランの一角に設けられ、大きな仕込み槽3基がレストランからも見えています。

 一つ目の槽で、ドイツやイギリスから輸入した麦芽を湯と混ぜることで、おかゆ状の「もろみ(マイシェ)」にします。

 その後、ろか槽に移して麦芽の殻や皮、粒などを取り除いた「第一麦汁」が完成。ここでは残った皮などにもエキスがあるため、再び湯を混ぜて「第二麦汁」も仕込んでいます。

 そして3つめの煮沸釜でホップを加え、ビールならではの苦みが引き出されます。この段階ではアルコール分はまだありません。

 冷やしながら発酵タンクに移し、ビール酵母を入れ、酵母が糖分を取り込んでアルコールと炭酸が生まれます。発酵が終わると、貯蔵タンクで再び冷やしてます。

 佐藤さんは「調和の取れたまろやかでおいしいビールに仕上げるため、10日~2週間ほどかけてじっくりと温度を下げます」と説明してくれました。冷やすことで熟成度が増し、最終的には氷点下で貯蔵しているそうです。

 ゆふいんビールは要冷蔵です。
 原酒に近い味わいやコクをキープし、差別化を図るため、酵母をろ過せずに残しています。常温保存では香りや味が変わってしまうそうです。

たる詰めされ、冷蔵保管されたビール

 最近はかんきつや特産品などを使った副原料を入れるクラフトビールが増えていますが、麦芽100%で主な原料や製造方法は変わっていません。

 
小野貴義社長
小野貴義社長
現在の小野貴義社長(45)は「ずっと味を変えていないこともこだわりです。とにかく飲みやすくスッと喉を通っていく。麦芽の味がしっかりする」と胸を張ります。
 「もう一つのこだわりは水」。湯布院町内の山からひいた湧き水を使っています。

 当初は山水館の宿泊客向けにレストランだけで提供していました。「お土産にしたい」という声も多く、現在は瓶でも販売しています。

 最初に瓶ビールを試作した際は炭酸が弱く、失敗だったそうです。技術を学び、瓶の中でビールが酸化しないように炭酸ガスを充満させ、おいしいままの商品に仕上げられるようになりました。

ゆふいんビールのラインアップ

 【商品ラインアップ】

 ▼ゆふの豊純 

 コムギの麦芽を50%以上使用した「ヴァイツェン」と呼ばれる種類で、「淡色」と「濃色」があります。
 淡色は黄金色でフルーティーな甘い香りが特徴です。きめ細かな泡立ちで、口当たりも軽く爽やかな味わいを楽しめます。
 濃色は琥珀色です。少し焦がしたカラメル麦芽を加え、コクのある仕上がり。淡色よりも濃い味でありながらも飲みやすい。アルコール度数はいずれも約5%。

 ▼ゆふの香り 

 通常よりも少し高い温度で焙煎ばいせんされたオオムギ麦芽を使ったエールビール。赤褐色の見た目に、コクのある深い味わい。香ばしさとほのかな甘みも感じます。アルコール度数約5%。

 ▼スタウト

 高温で焦がしたカラメル麦芽と黒麦芽を使った黒ビールです。グラスに注ぐと、華やかな香りが鼻の奥に広がります。甘みもありつつ、黒ビールならではの苦み、のどごしの良さを堪能できます。アルコール度数は約8%。


 持ち帰り用の瓶ビール(要冷蔵)は主に湯布院町内の土産店で購入できます。
 ホテルのラウンジやレストランで提供されるビールは、時期によって種類が変わります。

(大塩信)

【ゆふいんビール】

ゆふいんビールが入るホテル「ゆふいん山水館」
 ▼所在地 由布市湯布院町川南108―1
 ▼醸造所の見学は受け付けていません。レストランは宿泊客限定で、昼食のみ予約で利用することができます。
 ▼ホームページ http://www.yufuinbeer.co.jp
 ▼問い合わせ 0977-85-2344

12日付の紙面はこちら

アクセスランキング 6:1集計

むむむ!?

大分県の天気

今日 7月13日(

晴れ後時々曇り晴れ後曇り
気温 33℃ -
時間 0-6 6-12 12-18 18-24
降水 - 0% 20% 20%
警報
発表なし
注意報
発表なし
気象状況

今日 7月13日(

晴れ後時々曇り晴れ後曇り
気温 32℃ -
時間 0-6 6-12 12-18 18-24
降水 - 0% 30% 20%
警報
発表なし
注意報
発表なし
気象状況

今日 7月13日(

晴れ晴れ
気温 33℃ -
時間 0-6 6-12 12-18 18-24
降水 - 0% 20% 20%
警報
発表なし
注意報
発表なし
気象状況

今日 7月13日(

晴れ後時々曇り晴れ後曇り
気温 38℃ -
時間 0-6 6-12 12-18 18-24
降水 - 0% 20% 20%
警報
発表なし
注意報
発表なし
気象状況
PM2.5情報
大分県の測定データ大分市の測定データ

PR