「日田を担う若者を増やしたい」と話す岡野涼子さん=日田市
働くことは生き方を見つけること―。2018年、出身地の日田市で子どもたちへのキャリア教育を実践する一般社団法人NINAU(になう)を立ち上げた。
JR日田駅近くにある活動拠点「フラッグ」には高校生たちが集い、地域を元気にするためのアイデアを出し合う。8月11日には地元企業と連携して、かき氷イベントを運営した。
「遠回りしても、自分たちでやってみることが大切なんです」。経験を通して、自分で考える力を身に付けてほしいと願う。
キャリアコンサルタントとしての原点は、自身の就職活動の経験だ。衰退してゆく故郷を見て地域づくりを意識するようになったが、「どういう仕事につながるのか分からなかった」。地元民放局を退職後、大学生の就職支援や地域協働に関わるようになった。
社員研修などの企業支援にも力を注ぐ。「日田の会社の魅力を若者に発信したい」。企業の事業強化と次世代を担う人材の育成が、地域活性化への両輪だと考える。
「企業や地域の人と子どもたちが出会える場をもっともっとつくりたい」。働くことへの種まきは、まだ始まったばかりだ。