2025101日()

(5)高校生の感覚を大事に

成重さりなさん 中津市

> 「違う年代の人たちと話ができて楽しい」と話す成重さりなさん(左端)ら中津東高校マーケティング部の3年生=中津東高校
 「求められているのはインパクト。高校生らしい自分たちの感覚を大事にして企画を考えています」
 友人に連れられてふらりと入部したのは、地域活性化と、授業で学ぶ簿記などを結び付けた実践的かつ、ユニークな部活動だった。
 創部は2014年。16年に商品開発した魚のコロッケを使ったハンバーガーをイベント販売の定番商品に育て上げた。若いエネルギーと発想の豊かさに企業や団体からイベント企画の依頼が舞い込んでいる。
 やりがいは、ありがとうという言葉にある。「お客さんや、依頼者に喜ばれることがうれしい」とほほ笑む。会員制交流サイト(SNS)で意見やイメージ写真を共有することで会議を減らし、効率的に意志決定を進める。部員全員で集まることは少なく、その分「みんなで商品を試作したり、イベントで販売したりする時が楽しい」という。
 中津市の依頼を受け、5月に南部まちなみ交流館(市内諸町)で「古民家女子マルシェ」を企画した。耶馬渓そばを使ったランチメニューを提供。自分たちで内容や盛り付けを考え、原価計算から価格も設定した。ターゲット層に合わせたチラシの配布やSNSでの発信なども考え、宣伝活動を担った。
 顧問の岡崎博吉教諭(48)は「創部当初に比べると口出しすることが減りました。いずれは交渉から仕入れまで全てを自分たちでできるようになってほしい」とさらなる飛躍に期待を寄せる。
 今後の目標は、部の知名度を高め、自分たちが関わっている地域のイベントなどに人を呼び込み、地域活性化につなげること。「将来的にも地元のために活動できる人になりたい。部活を引退しても後輩たちが取り組むイベントのスタッフだったり、ボランティア活動を続けたい」