六章 共生
音兎(おと)を見た。四歳のころの音兎は、美都(みと)の姿が見えないだけで泣いた。音兎だけじゃない。保育園に行けば親を恋しがって泣く子どもたちを何度も見かけた。親が己のすべての時期だ。
「小林のお母さんが亡くなったのは...
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