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202042日()

東西南北

2019.11.27



 ご存じ「忠臣蔵」の中心人物は大石内蔵助(くらのすけ)だ。赤穂(あこう)藩浅野家(今の兵庫県赤穂市)の断絶後、京都で暮らす。映画などでは敵を欺くためかどうか、遊郭でどんちゃん騒ぎをする姿が描かれる。だが、実はそこまではなかったともいう。史料には物見遊山としか出てこないらしい▼歴史学者の山本博文氏が指摘している。歴史的には「赤穂事件」という。内容が詳しく描かれるのは史料が残っていたことによる。中でも秀逸なのが「預置候(あずかりおきそうろう)金銀請払帳(うけはらいちょう)」で、討ち入り一件の金銭支出をまとめたものだ。大石が直前に主君・浅野内匠頭(たくみのかみ)の正室・瑤泉院(ようぜんいん)へ届けている▼山本氏の著作によると、お家再興の工作費のほか、旧藩士の生活補助・活動費、江戸―上方間の旅費、討ち入り武具費などが詳しく記されている。藩の残金と瑤泉院の化粧料の一部、計690両余が元金で、695両余を使っている(不足分は大石が立て替え)▼金額を現代に換算するとどうなるか。当時のそばが16文だったのを参考に、1文を30円とすると1両は12万円で、元金は約8300万円となる。ちなみに大石の年収を調べると、約7千万円と高収入だった。こんな調子で見方を変えると意外な側面が見えてくる▼限られた予算をやりくりしているのだ。そこで、この話をコメディーにした映画「決算!忠臣蔵」が面白い。話の展開が早いので忠臣蔵オタク向きか。数字は映画用に変更している。
2019年11月27日

東西南北

 

 大分合同新聞の顔とも言えるコラムです。朝刊1面に掲載。短い文章ですが、政治や世の中の動き、いま話題の事柄を鋭く、時に風刺の効いた、心温まる筆致で描きます。故事来歴などのうんちくも豊富。文章に親しみ、物事を考えるヒントにもなる。それが「東西南北」です。

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