「シンプル・アクシデント|偶然」の一場面(ⓒLesFilmsPelleas)
捕らえた相手は憎いあいつなのか―。疑心暗鬼になりながらも報復しようとする市民の姿を描いたドラマ。第78回カンヌ国際映画祭では最高賞を獲得した。
主人公ワヒドのガレージに、車が故障した家族がやって来る。彼は一家の父親が見せた特徴から、つらい記憶を思い出す。かつて「反体制的」として逮捕された事実。投獄中、看守のエグバルから受けた虐待は人生を大きく狂わせた。
ワヒドは、一家の父をエグバルだと確信。拉致し殺そうとするが「人違いだ」と反論される。実は投獄時、視覚を奪われており敵の顔を知らなかった。確証を得るためエグバルを知る人々を訪ねるが…。
作品で問われる「暴力の連鎖」というテーマ。ジャファル・パナヒ監督の母国イランの現状を踏まえながら鑑賞すると味わいが増す。主人公の人の良さが分かるほっこりしたエピソードを含みつつも、復讐(ふくしゅう)に走らざるを得なかった閉塞(へいそく)感が際立つ。
シネマ5で23日(土)~29日(金)の午前10時、午後2時5分、同6時半。(この日程以外も上映あり)
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「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。