完成した作品とアーティストの内海昭子さん=別府市柳・隠山地区
【別府】別府市内の各所にアートを設置する混浴温泉世界実行委員会のプロジェクト「オルタナティブ・ステート」で、市南西部の柳・隠山地区に最終作品が完成した。豊かな自然が広がる元農地に「宙に浮かぶ大きな水たまり」が出現。作品を手がけたアーティストの内海昭子さん(46)=福岡市=に思いを聞いた。
―空間全体を体感する装置として直径約3・5メートル、高さ約3メートルの円形の水盤を制作した。コンセプトは。
「別府にある地球のエネルギーを肌で感じられるような作品。生命感があふれる場所で、季節によっては緑が生い茂り、いろんな鳥や虫の声が聞こえる。人間が生まれる前のような世界を想像できる」
―これまで「時間の連続性を表出する風景の再構築」をテーマに数々の作品を発表してきた。
「別府の温泉は100万年前のサンゴが成分となっていることや、50年前の雨水でできていると聞いた。今回も水をテーマに時間の流れを表現している。人工的な仕掛けで水面が波立ち、雨のような波紋が広がる。静かになると自然の風が流れ、空を映すこともある」
「別府の町自体が長い時間の果てにあることを実感するとともに景色を見たり、鳥の声に耳を澄ましながらいつもと違う時間を楽しんでほしい」
―プロジェクトの最終作品になった。
「自分の作品でどう物語を完成させるのか、発想に至るまでに苦労した。素晴らしい作品の中に参加することができてうれしく思う。より広い別府の魅力を感じてもらえたらと願っている」
<メモ>
内海昭子さんは「時間の連続性を表出する風景の再構築」をテーマに、インスタレーションや映像、写真など多様な表現をしている。今作品の鑑賞は午前10時から午後4時までを推奨している。