児童が次々に意見を発表し、黒板はそれぞれの考えを記した板書で埋め尽くされた=竹田市直入町長湯
【竹田】竹田市教委はICT(情報通信技術)を活用し、市内直入町の直入小の授業を他校に配信した。市内全10小学校が小規模校になる中、視聴した児童が多様な意見に触れるとともに教員が指導技術を磨く上で参考にしてもらうのが目的。市内で初めての試み。
配信したのは同小6年(11人)と牛島岬教諭(37)の国語の授業。12月の計9日間、物語「海のいのち」を読み解く様子を市教委がタブレット型端末などを用いて中継・録画した。
最終日の授業で、牛島教諭は県教委がまとめた指導手法のひな形「新大分スタンダード」に基づき、冒頭に「めあて」と「課題」を確認。「瀬の主」を仕留めようとしていた主人公の変化について考えていった。
児童は次々に発表。他の子どもたちは発言者に体を向けてうなずき「考えが変わった」「他にもある」と挙手をした。黒板は意見の板書でいっぱいになり、牛島教諭は助言をしながらまとめへと導いた。
大塚誉仁(よしまさ)さん(11)は「みんなの話を聞き、より深く登場人物の思いに迫ることができた」。牛島教諭は「先生は授業の目標の達成に向けてサポートする調整役。児童には学校生活全般で考えを聞いて進めるようにしている」と日頃からの心がけを語った。
市教委によると、今回の配信は市内の2小学校の児童と3小中学校の教諭らが教室に備え付けられた大型モニターなどで視聴した。
市内では全小学校が1学年1学級。ICTの活用により、児童は自校にいながら同世代の多様な考え方に触れることができる。教員も同じ教材を扱う他校の授業方法や児童の反応を見学する貴重な機会になっている。
同市の教育現場ではこれまでも市内外の学校との交流、海外の人との外国語の練習などにICTを活用してきた。市教委学校教育課の田辺秀樹課長補佐(53)は「ICTを通じて日常的に児童や教員が学校の垣根を越えて学び合う環境をつくりたい」と話した。