日本遺産「近世日本の教育遺産群」を構成する咸宜園と他の教育施設とのつながりを示す資料などを展示=日田市淡窓の咸宜園教育研究センター
【日田】江戸時代の儒学者広瀬淡窓が開いた私塾「咸宜園跡」(日田市)をはじめ、全国4自治体の旧教育施設で構成する日本遺産「近世日本の教育遺産群」の認定10周年を記念した特別展が、同市の咸宜園教育研究センターで開かれている。4施設の中心にあった儒学にスポットを当てた内容で、互いの交流の歴史を物語る資料十数点が並ぶ。
同遺産群は2015年、日本遺産の第1号として他の17件とともに文化庁から認定された。
特別展には儒学の祖、孔子の像(伝習館高=福岡県柳川市=所蔵)や、中津市山国町出身の医師で咸宜園門下生(7代塾主)の村上姑南(こなん)が所有していた孔子を描いた掛け軸などを展示。江戸時代、日本の学びの中心に儒学があったことがうかがえる。
同遺産群の4施設の一つ、足利学校(栃木県足利市)を訪れた際のことを詳細に記録した淡窓の弟旭荘の日記や、同じく4施設の弘道館(茨城県水戸市)教授の青山延光(のぶみつ)が淡窓に漢詩の添削を依頼した書簡と淡窓からの返事などもある。
「年配の淡窓先生が弘道館を訪ねることはなかったが、年の離れた延光に丁寧なお礼を書いており、謙虚な姿勢が感じられる」と同センター。
この他、旭荘が4施設の閑谷学校(岡山県備前市)近くの備前焼産地に行った時の日記や、淡窓が使っていた備前焼の保命酒入れなども飾られている。
入場無料。12月9日まで。水曜休館。問い合わせは同センター(0973-22-0268)。