災害対策本部の会議でオンラインで佐藤樹一郎知事の指示を聞く県幹部ら=19日午前10時
大分市佐賀関で発生した大火で、大分県は19日、自衛隊に災害派遣を要請した。一夜明けた午前9時時点でも鎮火に至っていない。消防庁によると、焼失面積は4万8900平方メートル(速報値)に上り、民家など170棟以上を延焼した。依然として70代男性1人と連絡が取れていない。
同日午前10時に県庁で県の災害対策本部会議が開かれ、県幹部や警察、自衛隊から約80人が出席した。公務で東京に滞在中の佐藤樹一郎知事が「消火活動は県内の全消防力を動員してほしい」と指示。避難者への対応にも万全を期すように求めた。
県によると、50代女性が気道熱傷で病院に運ばれた。命に別条はない。
火災は18日午後5時45分ごろに発生。現場は佐賀関漁港近くの住宅密集地で、風にあおられて古い民家や空き家、寺院などに燃え広がった。付近の山林や、現場から約1・5キロ沖合の無人島・蔦(つた)島にも飛び火した。市によると、周辺の121世帯・180人が避難所に身を寄せた。
県と市は同日午後11時、災害対策連絡室をそれぞれ災害対策本部に移行。市の要請に基づき、県が災害救助法の適用を決めた。