農林水産祭の水産部門で天皇杯に輝いた浪井丸天水産の浪井大喜代表=佐伯市蒲江西野浦
農林水産業で優れた功績を挙げた事業者らをたたえる第64回農林水産祭で、佐伯市蒲江西野浦の水産養殖業者「浪井丸天水産」(浪井大喜代表)が最優秀賞の天皇杯(水産部門)に輝いた。収益性の高い経営体制や職場環境の充実など、漁業経営改善の取り組みが高い評価を受けた。県内の天皇杯受賞は13回目、水産部門は2002年以来。
同祭は農林水産省などが主催。天皇杯は過去1年間(24年7月~25年6月)に農林水産大臣賞を受賞した全国453点の中から、園芸・畜産・林産などの7部門で1点ずつが選ばれた。
同社は1978年設立。現在はハマチ生産に特化し、2019年から自社ブランド魚「若武者」を販売する。若武者の売上高は約3億2千万円(昨年)に上り、従業員(11人)の平均年齢は32歳。
IT化を推進して業務を効率化。稚魚の調達から飼育、加工、店舗への搬送まで自社で完結する一貫体制をつくった。一連の経費を把握して販売先と取り引きし、利益率の高い価格設定に成功。安定した収益性の高い経営体制を実現した。
職場環境の充実にも積極的に取り組む。事務所に休憩スペースを設置し、子育て中の従業員のため託児環境を整備。商品開発・PR動画撮影用のキッチンスタジオは従業員の食事にも利用でき、健康増進のためジムも設置した。
現在は海外への販路拡大やギフト商品の販売に取り組むほか、水産業以外のジャンルへの多角化も見据える。
浪井代表(38)は「自分で考えて自分で行動し、挑戦する人が集まる会社をつくっていく。受賞を刺激に、これからも同業の仲間たちと高め合っていきたい」と話した。
<メモ>
農林水産祭の天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会長賞は「天皇杯等三賞」と呼ばれ、23日に東京都で開催される農林水産祭式典で表彰される。天皇杯受賞者は、天皇皇后両陛下に直接業績を説明する機会も別途与えられる。