本格的なセットが組まれた舞台で「楽しませます」と意気込む団員=玖珠町戸畑の北山田ふるさと創生会館
【玖珠】プロの指導による大衆演劇を上演する玖珠町の「素人芝居劇団みかづき座」(河野康仁座長、29人)の第30回記念公演が29、30の両日、同町戸畑の北山田ふるさと創生会館である。「北山田素人芝居同好会」から改称して初めての舞台。団員たちは毎晩、集まって稽古に励んでいる。
みかづき座によると劇団は42年前、北山田地区の一大行事である嵐山滝、桜ケ岡滝両神社の合同秋季大祭を盛り上げようと、北山田商工青年部(当時)が始めた。
日田市を拠点に全国で興行する「橘劇団」が、自分たちの公演を基に台本を作ることを認め、衣装や演出技術の提供、演技指導などでも協力している。
1991年に同会館が完成し、花道など本格的な舞台装置ができたことをきっかけに公演を開始。コロナ禍などによる休演を乗り越え、30回の節目を迎えた。
団員は玖珠、九重両町の3~70歳で、40~50代が中心。職業は美容師や運送業などさまざまで、県外から帰省して参加する人もいることから地区を超えた構成に合わせようと改称した。
記念公演に向けた稽古は今月1日にスタートした。29日は時代活劇「任侠(にんきょう)東海道」、30日は時代人情劇「見送る親子」を上演する予定。昨年、知人に誘われて加入した介護職員の高倉愛美さん(22)=玖珠町日出生=は「小学生の時から演劇を続けているが、大衆演劇は初めて。新鮮な経験が多く、スキルアップになっている」と喜ぶ。
開演は両日とも午後7時で、入場無料。29日は橘劇団の舞踊ショー、30日は北山田小児童による演舞などもある。
河野座長(51)=同町山浦・会社員=は「稽古や資金集めは大変だが衣装を着け、舞台で照明を浴びると苦労も吹き飛ぶ。地域の活力につなげるため、続けていきたい」と話している。