古代宇佐時代祭の行列に加わり、手向山八幡宮(奈良市)の八幡神が約1300年ぶりに宇佐神宮(宇佐市)に里帰りした。八幡神を乗せた御鳳輦(ごほうれん)を、奈良市から来た担ぎ手が上宮へと運んだ=宇佐市の宇佐神宮
古代や奈良時代の衣装を市民がまとい行列をする「古代宇佐時代祭」が26日、宇佐市中心部から宇佐神宮までの約2キロのコースで開かれた。奈良時代に宇佐神宮から手向山八幡宮(奈良市)に分けられた八幡神を乗せた御鳳輦(ごほうれん)(みこし)も行列に加わり、初めての里帰りが実現した。
宇佐神宮御鎮座1300年奉祝記念事業の一環で初めての開催。市民ら約400人が、卑弥呼や和気清麻呂ら宇佐の歴史にまつわる人物などに扮(ふん)して行列に参加した。日本書紀に登場するウサツヒコとウサツヒメを先頭に午前10時半ごろ、四日市別院(西別院)を出発。沿道の観客は、色とりどりの衣装を着て優雅に練り歩く歴史絵巻に声援を送った。
手向山八幡宮の八幡神を乗せた御鳳輦の一行75人は、途中の宇佐神宮の仲見世周辺から参加。楽人による雅楽演奏の中、紫色の錦に包まれ、頂に金色の鳳凰(ほうおう)を飾った御鳳輦がゆっくりと、上宮に進んだ。上宮で執り行われた神事では、手向山八幡宮の上司延礼(かみつかさ・のぶひろ)宮司(61)が祝詞を上げて、里帰りを報告。参列に加わった東大寺元別当の狭川普文(さがわ・ふもん)長老(74)も読経した。
上司宮司は「約1300年ぶりに里帰りができ感慨深い。次世代に語り継ぎ、この先も交流が続いてほしい」、宇佐神宮と関係の深い東大寺の狭川長老は「時代を超えて神様のこと、仏様のことを大切にしてきて今日の日を迎えることができた」、宇佐神宮の小野崇之宮司は「神宮の歴代の記録に残る行事になった」と話した。