竹田薪能をPRする関係者。全国的にも珍しい川をせき止めた水上舞台で開かれる=竹田市会々
【竹田】第35回竹田薪能が11月1日、竹田市挟田の三日月岩前を流れる稲葉川の水上舞台で開かれる。実行委員会は「川に舞台を設けての能は全国的にも珍しい。幻想的な世界を堪能してもらいたい」と来場を呼びかけている。
竹田薪能は、岡藩5代藩主中川久通が岡城跡に近い三日月岩の前で能を楽しんだとされることに由来する。
水上舞台の設置は長年続くが、前回の2023年は特別版として市総合文化ホール(グランツたけた)で開いたため、22年以来の実施になる。重機で土砂を積んで川をせき止め、水位を上げて舞台を完成させる。
当日は午後4時に開会。川面が水鏡となり、かがり火が揺らめく中、3演目が繰り広げられる。
舞ばやし「船弁慶」(喜多流)は平知盛の亡霊が義経一行に襲いかかる様子を演じる。狂言は「蝸牛(かぎゅう)」(大蔵流)。長寿の薬とされるカタツムリを探す太郎冠者(かじゃ)と老人が滑稽な問答を繰り広げる。能「三輪」(喜多流)では三輪の僧の元を訪れる女が正体を明かし、荘厳に舞う。
実行委は「日が暮れるにつれ、徐々に空間の様子が変わる。能のファンから初心者まで幅広い人に楽しんでもらえる」と話した。
入場料は指定席7千円(前売り6千円)、自由席5千円(同4千円)。オンラインと市観光ツーリズム協会(JR豊後竹田駅構内)、市城下町交流プラザ、竹田商工会議所で販売している。指定席は同協会のみ扱う。
雨天時は同ホールで開く。問い合わせは実行委(0974-63-2638)。