自動採点システムを活用する塩月陽教諭。全ての作業をパソコンやタブレット上で済ませられるほか、過去試験のデータや各生徒の学習の定着度合いも手軽に確認できるという=佐伯市の佐伯城南中
【佐伯】佐伯市内の4中学校は本年度、校内テストの自動採点システムを本格導入した。採点にかかる時間が3分の1から半分程度に短縮され、各設問の正答率を手軽に確認できるなど業務の効率化に貢献。教員の働き方改革に一役買っている。
自動採点システムは、生徒の答案用紙をスキャンし、記号などの選択問題を人工知能(AI)でチェックする。生徒の答案データを読み込むと、記号や単語、数式を読み取って素早く採点。記述式の解答は対応できないが、設問ごとに各生徒の解答をパソコンなどの画面上で一覧でき効率化につながる。
大量の答案用紙を処理する際に力を発揮するため、市内で生徒数が多い佐伯城南、鶴谷、昭和、佐伯南の各中学で導入した。
全校生徒が約330人の佐伯城南中は、2023年の2学期から試験的にシステムを導入。現在は全ての教科で活用している。
数学、理科など記号や数式での解答が多い教科で重宝されており、3時間はかかっていた100人分の採点を1時間程度に短縮。記述問題の多い国語の採点時間も半減した。
自動採点された答案用紙は最終的に教員の目でチェックするが、自動採点の精度は高く、読み取りミスが起きるのは文字が薄い場合や汚い場合など。授業の合間や放課後、土日の部活動の空き時間などに手作業でマルバツを付けていた数年前と比べ、負担は軽減したという。
理科の塩月陽教諭(34)は「採点の時間が削減できたことで、他の業務に取り組む余裕が増えた。ワークライフバランスの面でも役立っている」。市教委学校教育課は「十分に活用し、子どもと向き合う時間をより一層つくってもらいたい」と話した。