奈良時代に八幡神に仕えた「辛島女禰宜」をモデルに新たに作られた四日市人形=宇佐市四日市
【宇佐】宇佐市四日市地区の体験観光に取り組む「四日市伝統技能伝承クラブ」(渡辺崇博部長)の人形部会(15人)は、宇佐神宮御鎮座1300年を記念した新たな人形を作った。モチーフは奈良時代に宇佐八幡神に仕え、ともに戦に赴いたといわれる伝説の女性「辛島女禰宜(にょねぎ)」。今月から販売している。
四日市人形は昭和初期から、土産や縁起物として地域で作られていた土人形。戦争で制作者が亡くなって途絶え、20年ほど前に地域住民らが復活させた。以前はえびす様や大黒様などが中心だったが、復活に合わせ干支(えと)や招き猫、市出身の漫画家麻生豊の代表作「ノンキナトウサン」、昭和の大横綱双葉山などバリエーションを増やしてきた。
「神宮の記念の年にちなんだ作品ができないか」と、2月から新作の制作を開始。辛島女禰宜をモデルにすることを決め、紫色の衣装を着けすらりと背の高い姿やよろいかぶと、巫女(みこ)の衣装などを身に着けたデザインを考案した。
メンバーは、市内四日市の集会所で開く月2回の定例会で人形作りに励んでいる。石こうで作った型枠に粘土を入れて1体ずつ成型。2~3週間ほど乾燥させて素焼きした後、アクリル絵の具で着色して仕上げる。
渡辺部長(76)は「宇佐神宮の歴史に大きな役割を果たした女禰宜。記念にふさわしい人形ができた。手作りで1体ずつ表情や飾りが違うので、手に取ってお気に入りを見つけてほしい」と話している。
1体2千~3千円。市内の桜岡神社(四日市)や地域商社USA(法鏡寺)、同神宮仲見世にある是恒商店で販売している。問い合わせは渡辺部長(070-5690-1137)。