文化財を舞台にしたユニークベニューで、国東半島の歴史を解説する別府大の赤松准教授(右)=昨年12月、豊後高田市長岩屋の天念寺
【別府・豊後高田】豊後高田、国東両市でつくる六郷満山日本遺産推進協議会(事務局・豊後高田市教委)と共同で研究などに取り組む別府大が、文化庁の「日本遺産サポーター大学」に登録された。全国10校目で、県内では初めて。大学の専門的な視点などを生かし、観光振興や教育連携などを進める。
同協議会の「鬼が仏になった里『くにさき』」は2018年に日本遺産の認定を受け、24年には全国のモデルとして県内初の重点支援地域に選ばれた。
サポーター大学は官学連携を目的に昨年創設され、地域の文化資源を活用し、教育や地域貢献活動を通じて日本遺産の魅力を発信する高等教育機関を認定している。
別府大は郷土研究で30年近く国東半島の実地調査に関わってきた。18年以降は同協議会事務局と共同でインバウンド(訪日客)向けツアーを開発したり、学生が文化財をテーマにグッズを作るなどしている。今後、ツアー添乗員資格を持つ学芸員の養成など、観光と文化を橋渡しする人材の育成も図る。
登録を記念し、10月4日に同大で、活動報告や課題を話し合うシンポジウムを開催する。
市教委文化財室の松本卓也主任は「大学の研究力と学生の発想力を借りながら国東半島の魅力を伝えていきたい」。同大文学部の赤松秀亮准教授は「国東半島は六郷満山の文化財や昔ながらの農村風景が残る全国的にも珍しい場所。これまでの研究をさらに発展させ、地域振興につなげたい」と話している。