カスタマーハラスメント対応マニュアルを作った国東市。被害は窓口業務などを担当する職員が多いという=市庁舎1階
【国東】国東市は職員が暴言や脅迫、言いがかりなど迷惑行為を受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)への対応マニュアルを策定した。不当な要求には、組織として毅然(きぜん)と対処しようと3月から運用を始めている。
市によると、昨年12月に実施した全職員(750人)対象のカスハラアンケートでは、回答した589人のうち約3割の184人が「受けたことがある」と答えた。「見たことがあるか」との問いには、316人が「ある」とした。
被害は窓口業務や税、福祉関連を担当する職員に多かったという。内容は行政手続きの煩雑さに関する苦情や侮辱、大声での威圧など。ネット上に個人情報を書き込まれたとする職員もいた。
マニュアルは市総務課が中心となって3月に作った。カスハラ行為を▽職員への不当な要求▽要求を実現するための手段が不相当▽職員の勤務環境を害する―と定義。時間拘束型やリピート型、暴言型など六つのカテゴリーに分類した。複数の職員で応対するなど、それぞれに応じた対処の仕方を記している。
運用開始から約2カ月が経過し、総務課には5月末までに3人・4件の対応報告書が寄せられた。内容は長時間の電話、行政防災無線に関連した暴言などだった。
同課は「適正で迅速な行政サービスを市民に提供できるよう、職員の負担軽減と安心して働ける職場環境の整備を進める」と話している。