モジャコに餌をやる大山水産の山田久松社長=佐伯市蒲江畑野浦
【佐伯】ブリ養殖に必要な稚魚のモジャコが、今年も豊漁となった。漁の拠点がある佐伯市蒲江の沿岸地域では早朝から、漁業者らがモジャコの世話に精を出す。岸から海へと連なるいけすの上を多くの人が行き交い、海の町ならではの活況を呈している。
蒲江畑野浦にあるブリ養殖業大山水産(山田久松社長)では20日朝、従業員十数人がモジャコに餌をやった。山田社長をはじめ、後継者の長男和洋さん(33)ら家族総出の作業。海岸から細長くのびるいけすに勢いよく餌をまくたび、水面が激しく波立った。
この日与えた餌の量は約600キロ。捕獲した数グラムのモジャコを250グラムほどに育てて沖合に移すまで、毎日午前5時から午後3時ごろまで作業が続く。山田社長(60)は「モジャコの世話は何十年も変わらない蒲江養殖の原点。この風景を残していきたい」と目を細めた。
本年度の漁期は4月1日に始まり、5月中旬に終了した。約30隻が出漁し、各自の目標数を確保した。
大分県は全国屈指の養殖ブリ産地。生産の基礎となるモジャコは、2021年、記録的不漁に見舞われた。県漁協上入津支店によると、温暖化などの影響で海を北上する時期が早まったとみられる。漁期を早めた結果、ここ数年は豊漁が続いているという。
小野崇樹支店長(57)は「順調に漁が進み、燃料代などが節約できたはず。年末からのブリシーズンは高値の取引が期待できるので、漁業者も喜んでいる」と話した。