EUに県産牛肉を輸出できるようになった県畜産公社=豊後大野市犬飼町
食肉処理施設の大分県畜産公社(豊後大野市)が、県産牛肉を欧州連合(EU)に輸出できる施設として国の認定を受けた。米国と並んで厳しい基準をクリアした。県は今年から欧州輸出を始める方針。関係者は「『おおいた和牛』などを新たな市場に売り込みたい」と意気込んでいる。
認定は全国で13番目。公社の施設は、米国の衛生管理基準を満たせるよう2016年に整備されたため、EU基準にも対応できる設備がある。EU向けは▽アニマルウェルフェア(動物福祉)への配慮▽抗菌剤の無投与―なども条件で、公社は二つの自社農場で合格できる牛を育てている。
県ブランド推進課によると、23年度の県産牛肉の輸出額は5億5849万円。米国、台湾、香港向けが伸び、前年度比31・8%増だった。
国内消費の落ち込みや不安定な国際情勢を踏まえて、県は新たな海外市場を開拓しようと、日本食の人気が高い欧州をターゲットに設定。拠点となる公社が認定を申請していた。
欧州の販路開拓はこれから。好まれる食べ方など現地のニーズを調査しながら、ルートを模索する。
県畜産公社の梅木英伸専務は「EUに売りたい生産者と、輸出を手がける業者をつなぐ役割も公社が果たしていく。まずは認定を受けたことを周知する」と話している。
公社はEU、米国、台湾、タイ、オーストラリアなど12カ国・地域に輸出できる体制を整えている。