「本を通じたコミュニケーションを広めたい」と張り切るアンジェリッククリニック浦田のスタッフと、別大ブックの古江さん夫婦(奥の2人)=大分市花津留
【大分】大分市花津留の産婦人科「アンジェリッククリニック浦田」(浦田憲一郎院長)で毎月第2土曜日の午後、絵本や図鑑など子ども向けの本を販売する「出張本屋」が開かれている。企画した同院のスタッフは「本を通じた親子のコミュニケーションを応援する場にしたい」と張り切っている。
同院の加木紫(ゆかり)師長(54)と助産師の安東望さん(35)が、「子どもの喜ぶ顔が見たい」と出張本屋を続けている別大ブック(同市政所)の古江昭宏さん(57)のことを知り、「気兼ねせずに新刊をゆっくり読んで選べる機会を院内で提供したい」と昨年10月から始めた。
妊産婦や家族がくつろぐ交流スペースで毎回、古江さんが約300冊を陳列。親子連れがソファに座ってページをめくり、気に入った本を買い求めており、「孫のために」と本を選ぶ婦人科の受診者もいる。
時間帯は、家族連れで来やすいことも考慮して、診療の落ち着いた午後3時半から同4時半までに設定。2月8日には、同院で出産した人たちも多く集まった。交流サイト(SNS)で知り子ども3人と訪れた高須賀千広さん(38)は「面白そうな本を書店で立ったまま見つけるのは子どもには難しい。出産でお世話になったスタッフとの交流も楽しい」、読み聞かせをした安東さんは「子どもたちの反応が良いと手応えを感じる」と笑顔で話した。
加木師長は、自身の子育てで、読み聞かせで親子が共有する時間や、子どもが信頼する人の声を聞くことの大切さを実感したという。「イベントを通じてさまざまな出会いやつながりが育まれている。これからも続けていきたい」と話している。