大分市内で2021年2月に時速194キロで車を運転して死亡事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)の罪に問われた被告の男(23)=同市=の裁判員裁判の第2回公判が6日、大分地裁(辛島靖崇裁判長)であった。走行実験をした県警交通指導課の男性警部が証人として出廷。「現場の路面は車体が揺れる」と語り、猛スピードだとハンドル操作を誤る危険性が高かったと証言した。
検察側は同罪の対象となる▽進行を制御することが困難な高速度▽妨害目的運転―の2類型に当たると主張している。
検察側によると、県警は今年5月20日、現場の県道と日田市内のサーキット場の2カ所で実験をした。
サーキット場では時速140~150キロで実施し、男性警部は「揺れの幅が大きく、車を真っすぐ保とうとするハンドル操作でミスの恐れが高まる」と説明した。
時速60キロで2カ所を比べた結果については「県道では車体が上下に顕著に揺れた。路面の影響と考えられる」と言及し、事故現場にわだちや凹凸があった可能性を語った。
計算上、時速194キロの車が前方の人や車に気付き、停止するまでには265メートルが必要とされる。男性警部は「別の実験では対向車のヘッドライトが見える程度だった」と述べ、直進中に右折車に衝突した事故では回避は難しかったとの認識を示した。
危険運転は成立しないと訴えている弁護側は「路面状況を調べた実験は、事故から3年3カ月もたっている。しかも、使用した車は被告の車種と異なる」などと反論。時間の経過による舗装路の変化や、車体の性能で結果が変わるとの見方を強調した。
次回の第3回公判は8日。実験に関わったプロドライバーの証人尋問がある。
<メモ>
事故は2021年2月9日午後11時ごろ、大分市大在の県道(法定速度60キロ)で発生した。当時19歳だった被告の男は、乗用車を時速194キロで走らせ、交差点を右折してきた乗用車に激突。運転していた同市の男性会社員=当時(50)=を出血性ショックで死亡させた。
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