ひょんなことがきっかけで、人違いされてしまった花嫁2人の数日間を描いたコメディー。 舞台は2001年のインド。結婚式を終えた花嫁のプールは、花婿ディーパクと2人、満員列車に揺られていた。赤いベールで顔をすっぽりと覆った彼女は、新居となる夫の家を目指す。だが、気が付くと夫の姿はなく、置き去りにされてしまっていた。内気で夫に頼り切っていたプールは見知らぬ駅に降り立つ。行き先の住所や電話番号を知らず、貴重品は全て彼の手元。不安のまま、構内で寝起きをするように。 実はディーパクは、車内で寝ぼけ、妻と反対隣にいた女性の手を引いて降車。彼女も花嫁でプールと似たようなベールで顔を覆っていた。ディーパクは事実が分かりぼうぜんとするが、翌日から妻を捜し始める。彼が連れてきた女性ジャヤは、なぜか偽名を名乗り、不可解な行動を取り始めるが…。 軽快なインド音楽、テンポの良い展開、そして人間味のあるチャーミングなキャラクターにあふれ、一級品のエンターテインメントとしてエンドロールを迎えることができる。 一方で当時のインドが抱えていた女性差別を描いた作品でもある。学問や就業の自由もなく、ひたすら従順に生きることを強いられてきた人々が立ち上がる希望の物語、という視点で見ると、違った味わいがある。 シネマ5bisで11月2日(土)~8日(金)の午後0時半、同5時10分。(この日程以外も上映あり) ◇ ◇ ◇ 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。
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