選挙戦を振り返り、3期目の方針などを語る日野康志氏=7日、九重町右田
【九重】任期満了に伴う九重町長選は、現職の日野康志氏(65)が3選を果たした。選挙戦を通じて感じたことや、次の4年間に臨む意気込みなどを聞いた。
―新人との一騎打ちを制した。8年ぶりの選挙戦を振り返って。
「2期8年の取り組みや公約を町民に直接訴え、一定の理解を得ることができた。4年前に無投票で信任を頂いた後、コロナ禍で伝える機会をなかなか設けられなかった。それだけに選挙戦を通じて成果や思いを届けられたのは良かった」
―投票率は前回から下がったものの73・67%。3125票を獲得した。
「地方選挙でも70%を割ることが珍しくない中、多くの町民が興味を持ち、投票の形で参画してくれた。一定の批判票は覚悟していた。2千を超える票が相手候補に入ったことは真摯(しんし)に受け止め、反省したい。政策や成果を伝える大切さを再認識できたので、今後の糧としていく」
―町外から人、モノ、金を呼び込む施策、安心して暮らせるまちづくり、大型防災事業の3本柱を掲げた。優先順位は。
「三つとも既にスタートしており、着実に進めていく。町の未来にとっては全て大事で優先順位はない。8年間でまいてきた種をこれから咲かせる。誠実、確実、堅実の三つの『実』を大切にしてきたが、3期目は『結実』を加え、力を尽くしたい」
―人口減少に耐え得る町にするという公約もあった。具体策はあるか。
「個人、組織が自立できている地域は活性化する。魅力が高まれば住み続ける人、戻る人、移住する人が増える。真の意味での自立を促し、それを支援できる行政を目指す」
「健全財政を維持しながら、必要な部分への投資は惜しまない。そのバランスが最も大切。守りから攻めに転じるスタートと位置付け、取り組んでいきたい」