強い日差しが照り付ける大分市中心部=25日、大分市中央町
厳しい暑さで熱中症による死者が相次いでいる。23日には大分、由布両市で男女2人が死亡。今年判明した県内の死者は熱中症疑いを含めて計9人(25日午後6時時点)で、いずれも高齢者だった。救急搬送される人も増えており、県は「体温調節や適度な水分補給をしてほしい」と注意を促している。
県消防保安室や県警によると、県内は6月中旬に大分市の男性1人が熱中症で死亡。7月は豊後大野市や国東市を含めて男女8人が亡くなった。車の車内や自宅の敷地内で意識を失っているケースが多い。
県の統計では、7月に入って熱中症の疑いで救急搬送された人数は、21日までの3週間で367人。昨年同時期の1・5倍に増えた。住居(庭などを含む)で発症した人が半数以上を占め、年代別では7割に当たる258人が65歳以上だった。
県健康政策・感染症対策課は「高齢者は暑さや寒さを感じにくいといわれている。温度計などで気温や湿度を目で見て確認し、エアコンを利用して体温調整をしてほしい」と話す。
大分地方気象台は暑さの要因として、高温の風が山から吹き下ろす「フェーン現象」の発生を挙げる。太平洋高気圧に覆われる日が多く、高気圧に沿って南西から暖かい空気が流れ込む影響で、九州山地の風下に当たる大分県は高温傾向となっている。
25日は日田市で全国1位の39・0度を記録。県内は7月に入って最高気温35度以上の猛暑日がこれまでに計17日あった。気象庁と環境省は20日から6日連続で「熱中症警戒アラート」を発表し、危険な暑さへの対策を呼びかけている。