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「大嘗祭 緊張の日々」 平成奉納米準備に奔走した大分県内関係者

 天皇陛下の皇位継承に伴う重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」が14、15日、皇居で催される。1990年にあった平成の大嘗祭では、大分県が秋田県とともに奉納米を育てる地に選ばれた。農協や行政、県警は細心の注意を払いながら、無事に大役を果たしたという。令和の一大行事を前に、当時携わった関係者は「失敗が許されない緊張の日々だった」と振り返っている。
 宮内庁が古来からの占い「亀卜(きぼく)」で、大分県に奉納米を収穫する斎田を設けることを決めたのが90年2月。そこから農協や県、県神社庁などが斎田の決め方、奉納米を刈り取る「抜穂の儀」の開催日、報道発表の時期と内容について、内々に打ち合わせを重ねた。
 「祭事に関する内容はすべて極秘扱いだった」。当時、県農協中央会参事として準備に奔走した矢野正宗さん(84)=大分市敷戸東町=は明かす。憲法の政教分離の原則にそぐわないとして、国内各地で反対運動が起きていたからだ。
 同年8月には県農政部長宅が放火されるなど県内でも不穏な動きがあり、矢野さん方を含む関係者宅は警察官が昼夜パトロール。各地の農協と連携し、奉納にふさわしい水田と手入れする「大田主」の選定を急ぐ一方、「引き受けてくれる農家が見つかるのか、農家に危害が及ばないか」との心配が頭を離れなかったという。
 最終的に斎田が玖珠町の田んぼに決まったのは、抜穂の儀の5日前の10月5日。翌日の公表と同時に斎田の周りに柵が立ち、50人前後の警察官による24時間の警備が始まった。
 10日の儀式は反対派約20人が近くまで詰め寄ったものの、無事に乗り切った。13日、乾燥させた精米を空路で皇居に届け、「ようやく肩の荷が降りた」。
 矢野さんは25日、皇居で新穀奉納の儀式に参列。赤坂御苑で天皇陛下(現・上皇陛下)から「大変だったでしょう」とねぎらわれた場面をはっきり覚えている。
 あれから約30年。「当時はどれだけ重要な儀式なのかも分からず、とにかく任務を果たそうと無我夢中だった」
 令和の斎田は京都府と栃木県が選ばれ、一連の儀式は9月に滞りなく終わった。
 両府県関係者の苦労に思いをはせつつ、一国民として日本の大切な伝統文化である大嘗祭を祝おうと思っている。
※この記事は、11月9日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。
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