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競争激化を好機に 別府市旅館ホテル組合連合会・西田陽一会長

変化を生き抜け!2019夏特集(1)

 別府市はインバウンド(訪日外国人客)の増加を背景に近年、県外資本を中心としたホテル進出が相次ぐ。明礬地区には「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」が開業するなど、富裕層から割安な個人旅行者まで多様なニーズに応える宿泊施設がそろう。一方、客室数の増加による競争激化を懸念する声もある。別府観光の現状や課題、展望を西田陽一同市旅館ホテル組合連合会長(58)に聞いた。

○新しい客層に期待
 ―ホテル進出が続く別府市の現状をどう見るか。
 いろんなホテルや旅館ができて懐が深くなり、富裕層ら新しい客層を取り込めると期待している。ただ、この前後2年間ほどで客室数は約1500室増え、現状から3割アップする見通し。市の入湯税申告データを見ると年間250万人が宿泊しているが、70万人増えないと需給のバランスが合わない計算になる。価格競争の激化や淘汰(とうた)される施設が出てくる恐れもある。
 ―地場中小の宿泊施設はどう臨めばいいか。
 大きな時代の変わり目にある。増える外国人客への接客を磨く、人手不足に対応した福利厚生に力を入れるなど経営改革の好機と捉えた方がいい。個々の力には限界もあるので官民挙げたまちづくりが必要だ。
 ―具体的には。
 宿泊施設が出す送迎のシャトルバスはJR別府駅前で安全に停車できる場所がないのが実情。多言語対応の案内板、無料Wi―Fi(無線LAN)の拡充をはじめ、まだ十分とはいえない受け入れ基盤の整備が求められる。別府ならではの共同温泉、路地裏の文化をどう楽しんでもらうかも大切。数ある共同温泉はデザイナーによるインテリアの一新やバリアフリー化を進めたい。ホテル旅館のタトゥー(入れ墨)対応も議論しているところ。
 外国人客の視点に立って考えることが大切。彼らがストレスを感じずに楽しんでもらえるまちは、住民にとっても幸せだと思う。

○広がる観光戦略
 ―日韓関係悪化の影響が懸念されるが、外国人客の需要をどう見る。
 足元で韓国客の落ち込みは影響するが、日本は観光立国を掲げて羽田空港の発着枠拡大などさまざまな政策を進めており、インバウンドは全国で間違いなく増えると思う。人口減で国内需要が先細りする中、外国人客の獲得は大切だ。特に大分県はラグビーワールドカップ開催で取り込めていなかった欧米豪の人たちに来てもらえる千載一遇のチャンス。彼らの嗜好(しこう)を分析すれば観光戦略が広がる。
 ―別府観光の将来像は。
 もともと港町で外からいろんな人が集まり、多様性を受け入れる土壌がある。さまざまな観光客が訪れる新しい時代に合っている。ハード、ソフトの両面を磨き、国際観光都市の地位を確立したい。

 × × × 
 人口減少社会を迎えて縮小するマーケット、深刻さを増す人手不足などを背景に、県内経済はあらゆる場面で変わる事業環境への対応が求められている。どう立ち向かうのか、県内の企業や業界団体のトップにビジョンや地域活性化のヒントを聞く。

 にしだ・よういち 1961年生まれ。別府市出身。慶応大卒。ホテル白菊を経営するつるみ観光社長。2017年から市旅館ホテル組合連合会長。12年に県内の観光関係者や行政らでつくる「おんせん県観光誘致協議会」を設立し、会長を務める。
※この記事は、8月15日大分合同新聞朝刊5ページに掲載されています。
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