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特攻機「桜花」の資料を初公開 宇佐市で6月9日まで

 太平洋戦争末期に開発された特攻専門機「桜花(おうか)」をテーマにした企画展が宇佐市上田の市民図書館で開かれている。設計者の三木忠直さん(故人)が所有していた関係資料を初めて公開。12日は三木さんの次女らが講演会を開く。平成から令和へと変わり昭和が遠くなる今、あらためて戦争の悲惨さ、平和の大切さについて考えてもらう。6月9日まで。入場無料。
 企画展は、桜花の設計に関わる研究実験報告書や主翼重量計算書といった資料や直筆の手記、桜花の特攻専門部隊「神雷部隊」隊員の遺品など計77点を展示。桜花の風防ガラスと照準器、胴体の一部もあり、椅子に座ってコックピットから眺めるような景色も再現した。
 市教委によると、1945年2月、沖縄戦に向けて神雷部隊が宇佐海軍航空隊に配属された。同年3月18日、国内で初めて出撃する予定だったが、米軍の攻撃を受け中止となった。同航空隊から出撃することなく終戦を迎えた。市内には桜花が51機残った。機体の噴射管はつなげられて配水管として使ったという。
 桜花は太平洋戦争末期、フィリピン戦線での劣勢を挽回する目的で開発したとされる。長さ6メートル、総重量約2トン。1・2トンの爆弾に木製の翼を装備。「一式陸上攻撃機」に吊(つ)り下げられ、投下後は人間が操縦して敵艦に突入した。車輪がなく「人間爆弾」とも呼ばれた。主に沖縄戦に投入。実際の戦果は駆逐艦7隻への損害といわれている。
 講演会は12日午後1時半から宇佐文化会館で。東洋大学名誉教授で三木さんの次女棚沢直子さん=神奈川県逗子市=と、豊の国宇佐市塾生の会社員藤原耕さん=滋賀県近江八幡市=が桜花について語る。入場無料。事前申し込みは不要。
 市教委社会教育課は「特攻隊は人をメインに取り上げることが多いが、今回は設計した人にスポットを当てた。人類の進歩や社会平和のために技術を使えなかった人の思いや苦悩、戦争と技術者の関わりを知ってもらいたい」としている。
 問い合わせは同課(☎0978-27-8200)。 

<メモ>
 三木忠直さんは香川県高松市出身。1933年に海軍航空本部に入り、陸上爆撃機「銀河」、ロケット特攻機「桜花」などの機体設計を担当した。戦後は、技術を平和のために役立てたいと車両設計技術者に転身。国鉄の0系新幹線や小田急ロマンスカー3000系、湘南モノレールなどの設計に携わった。
※この記事は、5月6日大分合同新聞朝刊13ページに掲載されています。
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