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平野五岳「詩書画三絶」の美 生誕210周年

大分市美術館でコレクション展

 大分市美術館では、コレクション展「生誕210周年 平野五岳」を開いている。五岳や同展の魅力を同美術館学芸員の野田菜生子さんが解説する。
 「詩僧死して只凩(ただこがらし)の里なりき」。1899(明治32)年の正月、耶馬渓から日田を旅した夏目漱石が、この句を霊前にささげたのは、幕末から明治の南画界で活躍した画僧、平野五岳(09~93年)に対してです。
 五岳が住職を務めた専念寺(日田市亀山町)には、漱石のほか、森鷗外や田山花袋、小杉未醒といった文豪や画家など、五岳の芸術を慕った多くの人々が訪れています。
 五岳の芸術、すなわち「南画」は、「詩書画一致」を理想とする絵画です。画中に詩が、それにふさわしい書体で書かれ、詩の世界を表した画と混然一体となって調和することを目指したものです。五岳の南画は詩と書と画、いずれにも優れ、調和の取れた「詩書画三絶」の美として高く評価されてきました。
 大分市美術館では、五岳を田能村竹田没後の「豊後南画」の広範な展開に欠かせない重要な作家と位置付け、初期から晩年までの画風変遷を追える充実した70点余のコレクションを所蔵しています。今年は五岳生誕210年に当たり、これを記念し、代表作18点の特集展を開催しています。
 咸宜園を主宰した儒学者、広瀬淡窓の指導の下で詩才を磨いた五岳は、咸宜園を中心とする多くの文化人と交わり文人として成長。画は30歳ごろに本格的に描きだし、初めは竹田に私淑、また貫名海屋や帆足杏雨らとの交流を通して画技を深め、60歳ごろ豪壮な筆墨で時代の気風に合った独自の画境を確立。松方正義や大久保利通など新政府の要人をはじめ、全国の人々から絶大な支持を集めました。
 こうした五岳の南画は、現在でも日田を中心とする県内の旧家、料亭などの壁面に、掛け軸や扁額(へんがく)が掛かっているのをよく目にします。ただ、地元でも次第にその名を知る人が少なくなってきたともいわれます。
 その要因の一つには漱石らの時代に比べ、画と密接に結び付き作者の心情を表した、漢詩文への親近感が薄れてきたこともあるでしょう。
 本展では、作品ごとに詩文の大意を付しており、悠々とした詩文の世界とダイナミックな画風による、詩書画一致の五岳芸術をより深く堪能できます。また昭和天皇の日田訪問の際、宿所に飾られた名作「風雨渡江図」も展示しています。ぜひご来館ください。
 ▽コレクション展「生誕210年 平野五岳」は4月7日まで。観覧料は、市美術展開催中の31日までは無料。以降は、一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料。
※この記事は、3月26日大分合同新聞夕刊4ページに掲載されています。
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