「サハリン2」で生産した原油を積んだタンカー=5月、愛媛県今治市沖
三井物産と三菱商事が参画するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」を巡る取引について、政府は米国のロシア制裁から除外する措置を延長する方向で米財務省と最終調整に入った。期限が18日に迫っており、原油と液化天然ガス(LNG)を引き続き輸入できるようにする。複数の関係者が10日、明らかにした。
ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、日本に入る中東産の原油とLNGは激減した。政府はホルムズ海峡に代わるルートや中東以外での調達を進めるが、今後もエネルギーを安定供給するにはサハリン2からの輸入が欠かせないと判断した。
米財務省は2024年11月、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁の一環としてガスプロム系の金融機関ガスプロムバンクの取引を制限した。サハリン2の取引は主にガスプロムバンクが資金を決済する。制裁下では資金のやりとりができないため、日本政府は例外にするよう再三求め米側も応じてきた。現在の除外措置の期間は25年12月からの半年間だった。
サハリン2はガスプロムが権益の7割超を握り、三井物産は12・5%、三菱商事も10%を出資する。日本が25年に輸入したLNGのうちロシア産は8・9%で、サハリン2で生産された。今年5月にはサハリン2の原油を運ぶタンカーが、中東情勢の悪化後では初めて日本に入港した。
米国や欧州のロシア制裁は、原油価格の高騰で修正が相次ぐ。英政府は5月、ロシア産原油をもとに第三国で作った石油製品の輸入を許可。LNGをサハリン2から第三国に輸送することも認めた。米国も各国によるロシア産原油の購入を一時的に容認している。
サハリン2 ロシア極東サハリンの石油・天然ガス開発事業。2008年に原油の通年生産を始め、09年に液化天然ガス(LNG)の輸出を開始した。ロシア政府系ガス大手ガスプロムが主導し、日本の三井物産と三菱商事が参画。LNGの年間生産能力は1千万トン程度とされ、日本はうち約600万トンを輸入する。隣接する「サハリン1」でも日本は権益を持つ。
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