日本の武器輸出ルール緩和を歓迎

ウクライナの首都キーウで共同通信と単独会見するゼレンスキー大統領=19日(共同)
ウクライナの首都キーウで共同通信と単独会見するゼレンスキー大統領=19日(共同)

 【キーウ共同=飯沼賢一】ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、首都キーウで共同通信と単独会見し、高市早苗首相が検討する殺傷能力のある武器を含む防衛装備品の輸出ルール緩和を歓迎した。高市氏と早期に会談し、新たな防衛協力の枠組みを構築したいとの意向を表明。米国企業のライセンスに基づき日本で生産する地対空誘導弾パトリオットなどの防空兵器の取得に期待を示した。ウクライナから日本への無人水上艇供与にも意欲を表明した。

 ロシアによる侵攻開始から24日で4年。ロシアはエネルギー施設を集中攻撃し、各地で電力や暖房供給に深刻な影響が出ている。ウクライナは防空態勢の強化には欧米だけでなく、日本を含む幅広い国の支援が不可欠との立場だ。

 防衛装備品輸出に関する現行ルールは「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5類型に限り輸出できる。国際法に違反する侵略や武力行使などを受ける国には、殺傷能力のない装備品の輸出を認めている。高市政権は5類型の撤廃に向けルール緩和を検討している。

 ゼレンスキー氏は、防空兵器は攻撃用ではなく、ロシアの弾道ミサイルや無人機攻撃に対抗するための防衛手段だと指摘。「高市氏が(供与に向けた)対話の道を開く決断をするなら、ウクライナにとって非常に有益だ」と語った。

 ロシアは和平受け入れの条件の一つとして、完全支配を目指す激戦地の東部ドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)からのウクライナ軍の撤退を要求している。ゼレンスキー氏は会見で「兵士が守る防衛ラインからの撤退はできない」と述べ、拒否する姿勢を改めて示した。

 さらにロシアには1万人以上の北朝鮮兵が派遣され、多様な無人機技術やハイブリッド戦の戦術を学び、母国に知見を持ち帰っているとの見方を示した。日本の安全保障への脅威になると述べた。

 パトリオット 航空機やミサイルを地上から誘導弾で撃墜する米国開発の防空システム。低高度から高高度まで複数の目標に同時に対処可能で、発射機を車両に搭載して移動できる。日本政府はウクライナを支援する米国のミサイル不足を補う目的で、米国企業のライセンスに基づき日本で生産するパトリオットの対米輸出を認めており、昨年11月にパトリオット・ミサイルの輸出を完了したと発表。米国以外にさらに移転させることは想定していないとしている。(キーウ共同)

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