24日、ウクライナの首都キーウにある聖ミハイル黄金ドーム修道院で執り行われた礼拝(共同)
【キーウ共同】ロシアが侵攻を続けるウクライナが24日、クリスマスイブを迎えた。首都キーウにある聖ミハイル黄金ドーム修道院では礼拝が執り行われ、平和を希求する大勢の市民が祈りをささげた。「どうか無事に帰ってきて」。戦地にいる兵士の家族は時折涙を見せながら再会の日が早く訪れることを願った。
ウクライナでは、ロシア軍によるエネルギー施設攻撃で停電が頻発。この日の礼拝も停電中に行われた。氷点下7度に冷え込む中、多くの信者がろうそくの灯に照らされた薄暗い聖堂に集った。
「全てのウクライナ人が戦っている兵士たちのために祈っている」。聖堂の片隅に座っていたスベトラーナさん(46)は、とある前線にいる息子(21)に思いをはせた。無事に生きているのか、けがはしていないか―。片時も不安は尽きない。
侵攻が始まった時、息子はまだ17歳だった。侵攻のせいで普通の青年として過ごすはずだった青春を謳歌できずにいると感じる。「どうか早く平和が訪れてほしい。そして息子に自分の人生を楽しんでほしい」。ほおを伝う涙を拭いながら望みを口にした。
同じく聖堂を訪れたアンナさん(45)は親戚の男性が戦地に赴いている。終戦を願う一方、ロシアを利するような和平合意の締結は避けたいとも思う。「ウクライナ人が納得できる形で平和がもたらされてほしい」と語気を強めて言った。
修道院では毎日、平和への祈りがささげられている。司祭のロレンティさん(49)は「本来であればクリスマスは家族と過ごす特別な時。そんな中、普通の暮らしを送ることができない人々に思いを巡らせている」とかみしめるように話した。
ウクライナは従来はロシア正教会と同様、クリスマスを1月7日に祝ってきたが、侵攻後の2023年に多くの欧米諸国と同様の12月25日に変更した。修道院でも現在は12月にクリスマスに合わせた礼拝を行っている。
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