【発達障害啓発週間】第1回:多様な暮らしの視点から考えるインクルーシブな都市環境づくり~発達特性に着目した、新しい空間デザインの挑戦~
4月2日「世界自閉症啓発デー」そして4月2~8日「発達障害啓発週間」。この特別な時期に合わせ、コスモスイニシアグループが進める“発達特性(発達障害・神経発達症)に着目したインクルーシブプロジェクト”に込めた想いをご紹介します。
第1回はコスモスイニシアの伊藤祥子さん、鈴木なつみさん、山田滉人さん、小森廉太さんにインタビューします。

――まずは、今回のプロジェクトの概要について教えてください。
小森:今回ご紹介する一連の取り組みは、大きく2つのステップで進んできました。まずは私たちコスモスイニシアが、インクルーシブデザインの専門家であるCULUMUさんと連携し、空間づくりの根幹を見直す「インクルーシブプロジェクト」をスタートさせました。そしてその思想を受け継ぎ、グループ会社であるコスモスホテルマネジメントが実際のホテルで実証実験を行う、という流れで進めてきました。
コスモスイニシアは不動産デベロッパーとして、マンションやオフィス・リノベーション、ホテルなど都市のさまざまな空間づくりを手がけていますが、今回は“発達特性(発達障害・神経発達症)”という視点から、『誰もが心地よく過ごせる住まい』を新たにデザインできないか、という考えをもとにプロジェクトを立ち上げました。
――「インクルーシブ」や「発達特性」にフォーカスされた経緯について教えてください。どのような課題感から始まったのでしょうか?
山田:最初から「発達特性」に絞っていたわけではありません。部署横断でこれまでにない空間づくりを考えていくなかでインクルーシブデザインの視点に行き着きました。
私たちが住宅を提供する主な対象は“子育て世帯”ですが、議論を進めるうちに、私たちが無意識に想定していた“標準的な家族像”という枠組みでは、多様な暮らしの実態を捉えきれていないことに気づかされたんです。
例えば、感覚過敏のあるお子さんにとって、一般的な照明や音環境が強いストレスになることがあります。しかしこれまでの住宅設計では、典型的な生活者が意識され、そうした特性の違いは見過ごされてしまっていました。光や音を調整できる空間は、発達特性のあるお子さんだけでなく、出張で疲れたビジネスパーソンや、感覚が敏感になっている妊婦さんにとっても心地よい空間になります。“いままで見過ごされてしまっていた人びとと向き合うこと”—その視点こそが、インクルーシブという考え方に繋がっていったのです。
特性のグラデーションのなかに私たちは皆存在していて、生活空間とのミスマッチが困りごとを生んでいる。であれば、「本人が頑張って合わせる」のではなく「環境のほうを調整する」ことが、空間づくりを担う私たちにできるアプローチなのだと考えるようになりました。

伊藤:近年、発達特性への認知は広がり、診断を受けるお子さんや支援ニーズも増加傾向にありますが、日常の土台である「住環境」についてはまだ十分に議論されていません。家は、学校や職場以上に長く過ごす場所です。その空間が安心できるかどうかは、自己肯定感や日々の安定に直結します。発達特性に限らず、誰もがほっとできる環境を整えることは、企業としての社会的責任であると同時に、長期的なブランド価値の向上にも繋がると考えました。
――プロジェクトを進めるにあたり、なぜCULUMUと連携したのですか?
伊藤:インクルーシブデザインは、当事者や専門家の知見なしには形にできません。そこで、実際に発達特性のある子どもたちと向き合い、大東小学校のプロジェクトなどで空間改善の実績を積まれているCULUMUさんにパートナーとなっていただくことお願いしました。
単なる理論ではなく、「現場のリアルな声」を知っていることが何よりの決め手です。ヒアリングや観察で得られた「困りごと」を抽象化し、具体的な空間づくりのヒントに翻訳していく。そのプロセスがあったおかげで、私たち自身も納得感を持ってプロジェクトを進めることができました。

――コスモスイニシアでのプロジェクトの内容とその振り返りをお聞かせください。
小森: プロジェクトでは、「発達特性を持つお子さんと同居する家族にとって暮らしやすい住空間を提供すること」をゴールに置き、まずは発達特性の基礎理解から始めました。英国規格協会(BSI)が2022年に発行した「ニューロダイバーシティ(多様な神経のあり方)」などの文献調査や、有識者へのヒアリングを実施しました。
そこで見えてきたのは、発達特性と一口に言っても本当にさまざまなタイプがあるということです。ある人にとって心地よい空間が、別の人には辛い空間になることもある。だからこそ、特定の正解を決めるのではなく、多様な特性を包み込める「柔軟な空間」が必要だと気付かされました。
そこで、当事者の方々のリアルな声を『お困りごとマップ』として整理し、それを基に社内ワークショップを実施しました。単に課題を解決するだけでなく、「どうすればもっと楽しく、心地よく過ごせるか」といった前向きなアイデアがたくさん生まれ、今後の空間づくりの大きなヒントになりました。

――今後の展望を教えてください。
鈴木:今回のプロジェクトを通じて、「暮らしの中で不便を感じやすい方の視点」を起点に考えることの大切さを学びました。
特定のお困りごとを前提に空間を見直してみると、日常に埋もれていた小さなストレスや使いづらさに気づくことができます。そうした気づきを設計に反映していくことで、結果的に「誰にとっても自然で使いやすい空間」が生まれるのだと感じました。
今回得られた知見は、分譲マンションやリノベーションに限らず、ホテルや都市空間など、当社のさまざまな事業に展開していきたいと考えています。この視点の転換を大切にしながら、より多くの人が心からくつろげる環境を一緒につくっていきたいと思っています。
●第2回予告 旅は未来の可能性を広げる挑戦の機会。インクルーシブな社会を目指す「MIMARU発達特性プロジェクト」に込めた想い
次回は、コスモスイニシアでの取り組みを受け、アパートメントホテル「MIMARU」で行った実証実験についてお伝えします。
アパートメントホテル「MIMARU」は、コスモスイニシアが開発し、コスモスホテルマネジメントが運営しています。4人以上で泊まれる広い客室が特徴で、ご利用の9割を家族連れが占める滞在型ホテルとして、”みんなで安心して泊まれる環境づくり”をめざし、アクセシブルツーリズムの実現に向けて宿泊でのハード・ソフト面での改善に取り組んできました。
第2回では、実証実験に向けた当事者家族への事前調査から見えてきた「旅行に対する切実な思い」や、それを踏まえてどのような企画検討を行っていったのか、プロジェクトに込めた想いと狙いとをお伝えします。

コスモスイニシアについて(本社:東京都港区、社長:髙智 亮大朗)
コスモスイニシアは、新築マンション・一戸建、リノベーションマンションなどの住まいを提供するレジデンシャル事業、投資用・事業用不動産の開発・仲介・賃貸管理などを行うソリューション事業、ファミリー・グループでの中長期滞在に対応するアパートメントホテルなどの開発・運営を行う宿泊事業を展開しています。社会の変化とニーズの多様化とともに事業領域を拡大し、都市環境をプロデュースする企業へと進化を続けています。
私たちは、ミッション『「Next GOOD」 お客さまへ。社会へ。⼀歩先の発想で、⼀歩先の価値を。』 の実現に向けて全ての経営活動において共通価値の創造を実践していきます。これからも、期待を超える安心や喜びをもたらす価値を追求し、商品・サービスの提供を通じて社会課題を解決するため、より多くの「Next GOOD」を、お客さま、社会と共に創ってまいります。
公式サイト:https://www.cigr.co.jp/
株式会社コスモスホテルマネジメント(本社:東京都港区、社長:藤岡 英樹)
株式会社コスモスホテルマネジメントは、訪日ファミリーに人気のアパートメントホテル「MIMARU」を東京・京都・大阪で展開しています。キッチン・ダイニング付きの広い客室と、多国籍スタッフのフレンドリーなサポート、さらに家族旅行を快適にするサービスを提供。“みんなで泊まる”楽しさと、家族との絆や旅先で出会う人・街とのつながりがちぢまり深まる旅をお届けします。
MIMARU公式サイト: https://mimaruhotels.com/
サステナビリティページ: https://mimaruhotels.com/sustainability/
コスモスイニシア公式サイト: https://www.cigr.co.jp/
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