CXM導入で生まれ変わる、プレミアム・アウトレット。お客さまとの“新しい絆づくり”に奮闘する2人のストーリー

欲しい商品を買うだけなら、ボタンひとつで済む時代。
お客さまがリアルなショッピングに求める「体験価値」は、その重要性を増しています。
そうした中、国内10カ所のプレミアム・アウトレットを開発、運営する三菱地所・サイモン株式会社は、“常にお客さま視点で考え、価値ある体験を提供し続ける”という「カスタマーフォーカス」の考えのもと、新たな取り組みを始めました。
それは、お客さまの買い物体験をデータ活用で見える化し、分析と改善を繰り返しながら「また来たくなる施設」へと進化させていく「CXM(Customer Experience Management)」(以下:CXM)です。
今回は、カスタマーサービス業務に長年従事し、このCXMの先行導入に携わってきた2人の社員にインタビューを実施。
お客さまの声を、どのように現場の改善や働くスタッフのモチベーションアップにつなげたのか。その苦労と、CXMがもたらした驚きの変化について詳しくお話を伺いました。
※プレミアム・アウトレットでは、2025年度に御殿場・佐野・土岐・ふかや花園の4施設でCXMを先行導入。2026年度から全プレミアム・アウトレットで導入予定。
【プロフィール】 ※所属は2026年3月時点の情報です

■ 増田 ひろこ(ますだ ひろこ) 佐野プレミアム・アウトレット営業課 マネージャー
2004年7月にチェルシージャパン(現 三菱地所・サイモン株式会社)に入社後、御殿場プレミアム・アウトレットのインフォメーションにて従事。佐野プレミアム・アウトレットのインフォメーション責任者を経て、同施設にてカスタマーサービス、スタッフ研修、営業企画から精算業務など幅広い業務を担当。

■ 五十川 真希子(いそがわ まきこ) 土岐プレミアム・アウトレット営業課 マネージャー
2009年11月にチェルシージャパン(現 三菱地所・サイモン株式会社)に入社後、土岐プレミアム・アウトレットのインフォメーション責任者を経て、同施設にてカスタマーサービス、スタッフ研修、営業企画など幅広い業務を担当。
<CXM導入への期待と想い>
——長年カスタマーサービスを担当されてきたお2人が、今回CXMの導入に取り組むことになった率直なお気持ちをお聞かせください。
五十川:私はお客さまの声を聞く新しい取り組みに携われると聞き、率直に嬉しいという気持ちでした。これまでもお客さまへのアンケートは行っていましたが、課題や改善点といった意見に焦点が当たりやすく、良いご意見も含めてもっとお客さまのお声を聞きたいという気持ちがありました。
CXMのために多くの声を幅広く集めるようになったことで、お客さまが「何に満足していて、何に不満を感じているか」を、感覚ではなく客観的なデータで知ることができるようになったと感じています。以前よりも、お客さま理解を深め、より的確な改善につなげていけると期待しています。
増田:会社としてCXMに取り組むようになったことで、蓄積したノウハウを共有して、みんなで改善できるようになることが大きなメリットだと思います。
これまでは、お客さまからご意見をいただいても、その場その場で対応する「点の対応」しかできておらず、会社全体を動かすものにはなっていませんでした。
施設の改善案を提案できたとしても「なぜこの改善が必要なのか」を、客観的なデータで証明し共有する手段がなかったので、情報を十分に活かしきれていないと感じていました。
しかしCXMを進めていくうちに「点の対応」で終わっていた事例が蓄積され、「だから、こういう改善が必要」と活かしてもらえるようになったことは、入社以来およそ20年間カスタマーサービスに携わってきた身として、本当に報われる気がしました。
<データ収集の苦労と、明るい変化の兆し>
——CXMに取り組み始めた頃の苦労と、その改善方法を教えてください。
増田:佐野プレミアム・アウトレットでは、当初、アンケートに回答していただくための2次元コードやポスターを、トイレやフードコートのテーブルなど、館内各所に貼り出して告知しました。
しかし、受け身の姿勢ではなかなか反応がなく、1か月に80件も集まりませんでした。
そこでインフォメーションスタッフにもご協力いただき、お客さまにアンケートのお願いをするのではなく、イベントのノベルティやクーポンシートの引き換えと合わせて「ご感想を聞かせてください」とお声がけしながら2次元コードを渡すように変えました。
また、団体バスで来場されるお客さまには事前に館内マップなどと一緒にアンケートを挟み込んで、帰りのバスで答えてもらうように工夫しました。
店舗スタッフさんにも接客の際に「お買い物の感想などをお聞かせください」といったお声がけをお願いしたほか、「何か体験をすると答えてもらいやすい」という傾向が見えてきたので、私たち運営スタッフもイベントの開催中に積極的にアンケートを配るようにしました。
体験と紐づけることで「イベントが良かった」などの声が返ってきて嬉しかったですし、これらの取り組みを経て、次第に回答数が増えていきました。

——お声がけの方法を改善して、どのような変化がありましたか?
増田:CXM導入から約4か月が経過した頃から、毎月200件以上の回答が集まるようになっています。
また、これは思いがけない効果ですが、積極的にアンケートのお声がけをした店舗には結果的にポジティブなコメントが集まりやすくなることが分かりました。
店舗スタッフさん個人をお褒めいただく具体的な言葉や店舗への満足のお声が多く集まり、モチベーションの向上にもつながっています。
接客力が評価されることで、やりがいや店頭に立つ意味を見出してもらえると考えています。

お客さまからのお声を店舗や管理会社に伝える「Thank youレター」(佐野プレミアム・アウトレット)
——土岐プレミアム・アウトレットではいかがでしたか?
五十川:最初に苦労したのは、どうやってアンケート回収に協力していただくかということでした。
一部のスタッフさんからは「お客さまにとって何のメリットがあるのか」といった反応もあり、「良い活動だけど、どう取り組んだら良いのか分からない」と戸惑う方が多かったです。
そのため、まずはインフォメーションスタッフと試行錯誤しながら、実際にお客さまがどんな反応をされるのか見ていきました。
あとは場内巡回の際に、店舗に活動の様子をヒアリングしたり、インフォメーションや他店舗での成功例を共有するなど、地道なコミュニケーションの繰り返しです。
一緒に考えていく姿勢を示しながら相互理解を積み重ねていったことで、少しずつ協力の輪が広がっていきました。

——変化を実感したエピソードはありますか?
五十川:最近のことですが、「お客さまからの声」を各店舗に共有し始めたところ、休憩室などでスタッフさん同士が「名前が出てましたね、すごいですね」など、自然に話し合う光景が見られるようになりました。
やはり、接客を通して直接お客さまと関わる皆さんにとって、お客さまのお声一つひとつが、私たち以上に大変な励みになるのだということを実感しました。
お客さまの声が身近に共有されることで、よりお客さまの立場に立って考える動きが出てきていることも、良い変化だと感じています。
入店時研修の様子。新たに施設で働くスタッフへアンケート結果を共有(土岐プレミアム・アウトレット)
<お客さま理解を深め、改善を繰り返していく>
——アンケートで得たデータを、どうやってCXMに活用していますか?
増田:アンケート分析の結果を表示するダッシュボードには「NPS=ネット・プロモーター・スコア」という指標があって、このデータを各店舗にも共有しています。
NPSは「この施設を誰かにお勧めしたいですか?」という質問への回答から算出される指標で、簡単に言うとお客さまに「推し施設」と感じてもらっている度合いを示すものです。
データ分析の結果、お客さまの期待以上の接客を提供できるとNPSが上がっていく傾向にあることが分かりました。
また別のデータからは、佐野プレミアム・アウトレットについて「第一印象は良くないが、接客に入ると良い」という結果が出た一方、「第一印象が良くないと再来場意向が上がらない」という傾向が出ていました。
それらの情報をもとに「新規のお客様を逃しているのではないか」という仮説を立て、店舗スタッフの皆さんと一緒にNPSの向上を目指していくことを提案しました。
このように、目に見えて分かりやすいデータがあることで、改善策に巻き込みやすくなったと感じています。
※「NPS=ネット・プロモーター・スコア」
顧客が製品やサービスを友人や同僚等に薦める可能性を0〜10の11段階で評価する、顧客ロイヤリティ(ブランドへの信頼・愛着)を数値化する指標。
ダッシュボード画面
——具体的な事例をひとつ教えてください。
増田:ダッシュボードに表示される「重要だが評価が低い項目」を見て、取り組むべきことの優先順位を決める参考にしています。
佐野プレミアム・アウトレットでは「警備スタッフと交通スタッフの満足度」がこの項目に入っていました。
そこで私たちは、警備や交通など管理部門の方々と月に一度のミーティングを開始し、お客さま対応例の情報共有や、分かりやすい案内方法についてディスカッションする時間を作り、具体的な改善に取り組むようになりました。
改善の度合いも数値として記録されるので、継続的な変化を見ながら今後の施策の向上に役立てていきたいです。

管理会社スタッフとのミーティングの様子。両施設でアンケート分析の結果をもとにディスカッションを行っている
——五十川さんはどのようにデータを活用していますか?
五十川:私たちはイベントやセール内容を決める際、お客さまの声に、より耳を傾けるようになりました。
データによると、「イベントの体験価値」が優先して取り組むべき課題として上がったので、これを進めるにあたってお客さまのコメントを分析したところ、土岐プレミアム・アウトレットに対して「代わり映えしない」という一見するとネガティブに見える声がある一方で、再来場意向が他のプレミアム・アウトレットよりも高いことが分かりました。
最初は少し矛盾しているようにも感じたのですが「変わらない良さ」は安心感にもつながっていて、それが評価されている可能性もあるのではないかと考えるようになったんです。
そのため、大きく方向を変えるというよりは、これまでの良さを大切にしながら、セールやイベントに新しさや独自性を加えていく方向が良いのではないかと考え、現在も試行錯誤しながら取り組んでいます。

営業課ミーティングの様子。アンケート分析結果を活用しイベントを企画中
<CXM導入で生まれ変わる、プレミアム・アウトレット>
——今後の展望を一言ずつお願いします。
五十川:これからはCXMのために蓄積したデータを、お客さまに還元していきたいと思います。
私たちが大切にしている「変わらない良さ」は守りつつ、ご来場のたびに新しさや発見を感じていただけるように、装飾やフォトスポットといった「視覚的に変化を感じていただけるような施策」も取り入れていく予定です。
このような改善を繰り返しながら、私たちスタッフ一人ひとりがお客さまをもっと深く理解し、期待を超える体験価値を創り出していくのが今後の目標です。
増田:私たちが目指しているのは、データをただの数値のままで終わらせず、イベント施策やお客さまへの対応、そして施設のハード面の向上まで結びつけてCXMを実現していくことです。
2026年度からはCXMの取り組みが全てのプレミアム・アウトレットに広がります。みんなでデータをチェックしながら改善を止めずに、一歩一歩着実に進めていきたいです。
そして、お客さまの日常にそっと溶け込んで心の安らぎを感じていただける特別な空間、「ふと思い出すと行きたくなる場所」にしていくことが理想です。
店舗スタッフさんの質の高い接客、イベントのサプライズ感、そして清潔な施設。
これらを常にブラッシュアップしていき「来る人がみんなニコニコしていて、それぞれの満足が満たされるプレミアム・アウトレット」であり続けたいと思っています。


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