日工・中山社長が語るビジョンの背景 ~モノ売りからコト売りへ、課題への向き合いと未来への一手~

日工株式会社(本社:兵庫県明⽯市、以下「日工」)は、アスファルトプラント分野で国内シェアNo.1、コンクリートプラントでも高いシェアを持つ創業107年目のプラント機械メーカーだ。現在、「世界を強く、やさしい街に。」というビジョンのもと、インフラの老朽化や人手不足といった課題に向き合いながら、“メーカーのあり方”そのものを変えようとしている。

2025年4月に就任した中山知巳社長は、「2030年ビジョン」において、“モノ売り”から“コト売り”への転換や社会・環境課題への対応などを進めている。“聞く力”を大切にする中山社長に、その背景や、「アジアNo.1」を見据えた日工の考えを聞いた。

1.深刻化する道路の老朽化―“見えている劣化”の先にある危機とは

国内のインフラを取り巻く環境は、大きく変化している。中山社長は、現場で感じている危機感についてこう語る。

「道路が荒れていると感じている方は多いのではないでしょうか。ガタガタしている道も増えていますし、一昔前であればすぐにメンテナンスされていたものが、今は放置されているケースも見受けられます。」道路の劣化は、表面だけの問題にとどまらない。「パッチワークのように補修された道路には水が染み込み、路盤が劣化します。やがて陥没が起き、地下に埋設された管が露出することで、温度や環境変化の影響を受け、腐食が進む―。こうした連鎖が、道路陥没といった重大な事故につながります。」

劣化が進む背景には、公共投資の抑制がある。

「この10年ほど、地方自治体の財政難もあり、道路に対する公共投資は抑制されてきました。その影響は確実に現場に出ています。」

国としてはインフラ強靭化の方針が示されているものの、実際に多くのインフラを抱えるのは県や市町村だ。限られた予算の中で、十分な整備に踏み切れない状況が続いている。

「先送りしている状況は、未来に負債を積み上げているのと同じです。」

目の前の補修を後回しにすればするほど、将来的にはより大きな修繕コストが必要になる―。インフラを巡る課題は、静かに、しかし確実に積み重なっている。

2.メーカーの枠を超える―経営のパートナーへ

インフラ老朽化や人手不足といった課題が深刻化するなか、日工では、「2030年ビジョン」を掲げ、“メーカーの枠を超えた役割”への転換を進めている。その背景について中山社長は、次のように語る。

「従来、メーカーはモノを作って届け、お客様が運用やメンテナンスの判断・発注を行うなど、主体はお客様側にありました。しかし、昨今は人手不足が深刻化し、現場を担う人材の確保が難しくなっています。そうした中で、私たちは活動領域を一歩踏み込んでいきたいと考えています。」

これまでのように「プラントをつくって納める」だけでなく、運用・管理までを担う姿を、2030年に向けたゴールとして描いている。

3.収益性のカギは“価値”にある―“モノ売り”から“コト売り”へ

2030年ビジョンを掲げる上で、中山社長は収益性の改善を重視している。

「製品力の向上はもちろんのこと、特に私が注力しているのは“モノ売り”から“コト売り”への転換です。IoTを使った遠隔監視や、サブスク型のメンテナンスサービスをどんどん拡充していく。お客様のプラントが止まらないよう、生産性が上がるよう、どこまでも寄り添い続けるビジネスへ、変革を進めています。」

その変革を支えるのが、長年蓄積してきた「資産情報」だ。

「運用までを担うとなると、プラントの状態を把握するための情報が不可欠です。これまでどのように機械を運用してきたのか、ランニングコストはどうだったのか――新品設備であれば、センサーやIoTによってデータが自動的に蓄積されていきますが、デジタル化が進む以前の既存設備には、そうしたデータが存在しません。しかし日工はこれまで長年にわたりお客様の設備メンテナンスに携わってきた中で30~40年にわたる情報を蓄積してきました。こうした情報を整理・体系化することで、これまで見えにくかった設備の実態を可視化し、より踏み込んだ提案や運用支援へとつなげていきます。」

現在はこうした情報をより有効に活用するための基盤を整備しながら、運用まで踏み込む体制づくりを進めている。

「お客様にとって真の価値を提供することで、より信頼されるパートナーとして関与していきたいと考えています。」

4.制約を超える技術―インフラを支える“見えない備え”

運用体制の強化を進める一方で、技術面からインフラを支える取り組みも進んでいる。中でもポイントとなるのが、脱炭素への対応だ。

「燃料をどれだけカーボンフリーなものに変えていくか。私たちが社会的に担うべき大きな役割です。」

現在は、アンモニアや水素といった次世代エネルギーの活用を見据え、将来的な実装に向けた準備を進めている段階だ。

「2030年以降には方向性が見えてくると考えていますが、どんな選択肢にも対応できるよう、今は“いつでも動ける状態”を整えています。」

一方で、より現場に近い課題もある。

アスファルト合材は高温のまま施工する必要があるため、製造から現場までの運搬時間に制約がある。日工では施工温度を下げてCO₂削減に寄与する「中温化合材」製造装置の開発・普及を進めてきた。この装置を使用することで施工可能な温度域が広がり、運搬時間の制約を緩和することができる。

さらに、合材を保温した状態で運搬できる合材保温ボックス「オカモチ」の活用も進めている。


「従来と同じ条件で、より遠くまで、より長い時間届けられるようにする。そのための仕組みづくりにつながる発信をしていきたい。災害時など、緊急対応が求められる場面でも活用できると考えています。」

今後はこうした技術の普及をどのように進めていくかも重要なテーマとなっている。環境負荷の低減とインフラの維持。この二つを両立させるための技術は、すでに現場への実装を見据えた段階に入っている。

アスファルト合材新運搬システム「オカモチ」

5.アジアNo.1へ―価値で勝ち続けるための挑戦

今後の成長の方向性として重要な位置を占めるのが海外市場だ。成熟する国内市場を背景に、日工は中国やタイに加え、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどへの展開を進めている。さらに、環境分野においても成長の余地があるという。

「もっと伸ばしていくべき領域ですが、まだ十分に伸びきっていないのが現状です。人材投資を進めながら、今後はパートナーを含めた体制づくりが重要になると考えています。」

中山社長が次に見据えるのが「アジアNo.1」という目標だ。

「アスファルトプラント国内シェアNo.1、コンクリートプラントでも高いシェアを持つ日工ですが、“アジアNo.1といえば日工だよね”と言っていただけるような企業を目指しています。」

その実現に不可欠なのが、海外でも通用する価値を提供することだ。

「価値を高め続けることが当面の私たちの進むべき道だと思っています。」

その判断の根底にあるのが、“聞く力”だ。

「どれだけ相手の話を理解できるか。行間までを含めて、“何を求めているのか”を考えることを大切にしています。」

顧客のニーズを的確に捉え、それに応える。その積み重ねこそが、海外市場でも選ばれる理由になるという。

「独りよがりにならず、常に求められていることを軸に判断する。それがすべてのベースになっています。」

こうした考え方は、社内の組織作りにも反映されている。

6.「世界を強く、やさしい街に。」―対話から生まれる未来

2025年4月の就任以降、中山社長は社員との対話を大切にしており、週に2〜3回のペースで社員との座談会を重ねている。

「社員一人ひとりが考えていることを、縦の関係だけでなく、横にも広く発信してほしいと思っています。」

実際に座談会を実施する中で、新たな気づきも多いという。

「この人がこんな意見を持っていたのだと驚くこともありますし、良かれと思ってやっていたことが、実はそうではなかったと気づかされることもあります。対話の積み重ねが組織の風通しを良くし、会社として力を集約していけるものと考えています。」

その先にあるのが、日工が目指す「世界を強く、やさしい街に。」という姿だ。

「アジアNo.1を目指す中で、インフラ整備に貢献し、“日本のメーカーがやってくれたのだ”と親しみを持っていただけるような存在になれたらと思います。」

事業の拡大にとどまらず、社会や世界への貢献を見据える姿勢がうかがえた。

「国内にも、今のうちに整備しておかなければならない課題が数多くあります。道路や土木構造物に寄与していくためにも、まずは信頼をいただくことが重要です。」


価値を積み重ね、信頼を勝ち取り、その歩みを着実に進めていく―。

その言葉には、着実に前へ進もうとする確かな意思がにじんでいた。





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