アドバイザー 小野 裕史氏
直野 別府ヒットパレードクラブは2017年に火災に遭いましたが、3日後には仮店舗で営業を再開、見事に復活しました。まさに「挑戦」のテーマにふさわしい場所です。
経営者でありながら「マラソン中毒者(ジャンキー)」として挑戦を続ける小野さんに、早速お話ししていただきましょう。
小野 きょう一番に伝えたいのは、僕たちが皆さんと変わりなく、何者でもない人間だということです。まずは「挑戦と発信」というキーワードから、1910年代にロンドンの新聞に掲載された南極探検隊の広告をご紹介したいと思います。
「南極探検隊員募集求む隊員。至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の日々。絶えざる危険。生還の保証はない。成功の暁には名誉と賞賛を得る」−過酷だし報酬はないけど、成功したら有名になれるよ、というブラックな募集ですが、多くの人が応募したそうです。当時、南極に行くのはとんでもないチャレンジでした。今やカジュアルにチャレンジができる時代です。僕は2012年に南極を100キロ走るアイスマラソンに出場し、ペンギンの格好をして完走しました。南極、北極など極寒の地から、灼熱の砂漠でも走ったことがあります。
以前は、インドアのパソコンおたくだったんです。それが自分を発信するうちにエスカレートしてマラソン中毒になり、今に至ります。これもICT(情報通信技術)革命の1つの象徴だと思います。
ICT革命、IT革命といわれていますが、何かというと、コンピューターの性能が上がり、常にあらゆる情報がつながっているのが当たり前の時代になったということ。150年前の情報伝達の手法は馬に乗るか走るかでした。今や情報が一瞬でシェアできます。情報革命の面白い部分だと思います。
ライブ配信アプリ「17Live(イチナナライブ))」の運営会社17MediaJapanの代表も務めていますが、これはスマホ1つで自分のチャンネルを持ち発信できるサービス。ストリートだと目の前にいる人にしか見せられないものが、多くの人へ発信できます。カジュアルにつながっていることが最大の価値です。発信と価値。人はちょっとした情報や変化を共有したいと思っています。