首藤 天野さんのキーワードは。
天野 「温」です。今はスマホだとか、SNSだとかで利便性は高くなっていますが、人間関係はすごく希薄になっています。ただ、人間は人とのつながりを求めています。温もりが伝わる、距離が近く感じる仕掛けを意識しています。他人事ではなく、自分事と感じてもらうためにはどうしたらいいかを一番に考えています。
首藤 運動部からデスクが来ています。取材を通してスポーツの力をどう考えますか。
吉田 大分にはトリニータがあり、バサジィ大分、大分三好ヴァイセアドラーがあり、スポーツを見る環境に恵まれています。障害者スポーツも発祥の地であり、車いすマラソンに代表されるように活動が盛んな土地だとつくづく思います。子どもにスポーツの輪を広げる動きも大きくなるなど、スポーツをする環境も良くなっています。それを地域にどう落とし込んでいくのか。トリニータを例に挙げると、トリニータとして地域の人に還元したいという思いと、トリニータを支えている人たちの地域に対する熱い思いが伝わり合うことが地域の活力になるのではないのでしょうか。トリニータと支える人たちの間に境界があれば熱は伝わりにくくなります。その境界を取り除く作業が大事になってきます。コアなサポーターだけでなく、「試合に行ってみようか、どうしようかな」と考えている人がいっぱいいます。スタジアムまで足を運べていない人をどう取り込んでいくのか。ウィン・ウィンの関係になるにはどうすべきかをみんなで考えていきたいです。