首藤 このスタジアムは大分のスポーツ界で18年の歴史を刻んだ場所です。天野さん、皆さんの発表を聞いた感想を。
天野 地域をどう盛り上げていくか、実践者の皆さんの言葉には重みがあると感じました。
中山 小笠原さんはなぜ、選手を引退した時、水泳に関わらないと思ったのですか。
小笠原 これから生きていく人生の方が長いので、与えられたものではなく自分が見つけた世界で生きていこうと思いました。世界を広げたかったのです。
首藤 小笠原さんが世界を広げようと思ったきっかけを取材して、スポーツの経験というのはすごいのだと感じました。皆さんがスポーツや地域の活動を通して大切にしているキーワードを教えてください。
小笠原 「みんなで」。私は地域おこし協力隊なので、竹田市が元気になること、そこに暮らしている人が幸せになるために何ができるのかを考えて活動しています。一部の人や移住者、若い人だけで盛り上がるのではなく、みんなが喜ぶことを意識しています。竹田市は合併しているので、4地域に住む人みんなが興味を持つことを考えています。
首藤 移住に竹田市は力を入れていますね。高齢化が進んだ地域ですが、地域おこし協力隊だけで38人います。
小笠原 「東京から来ました」と言うと「大丈夫?」と聞かれますが、困ることは一つもありません。毎日温泉に入って、湧水を使って暮らしています。本当に幸せです。
首藤 竹田市は“湯治”にも力を入れています。スポーツツーリズムという考え方に合致する面もあります。
小笠原 スポーツ選手は回復してこそ次のトレーニングに100%で臨めます。ぜひ、トレーニング後に温泉を利用していただきたい。