稚貝から育てた岩ガキの初出荷にこぎ着けた早川さん=佐伯市蒲江沖
【佐伯】佐伯市の夏を代表する食材の一つ、岩ガキ。道の駅かまえ(同市蒲江蒲江浦)は今季から、稚貝から自前で育てた岩ガキの提供を始めた。中心になるのは駅長を務める早川光樹さん(30)。「蒲江の海で育まれてきた味を守り、地域の可能性を未来につなげたい」と意気込んでいる。
早川さんは神奈川県出身。佐伯は父の故郷で、幼少時から豊かな自然に親しんだ。佐伯の海や魚食文化に引かれ2018年に「蒲江創生協会」を立ち上げ、道の駅かまえの指定管理者になった。
岩ガキ養殖に乗り出したのは24年。蒲江沖の屋形島近海で養殖をしていた高齢生産者から「もうやめようと思う」と聞き、見過ごせなかった。「潮の通りがよく、山からの栄養も注ぐ環境に恵まれている」と事業の引き継ぎを決意。作業に同行し、少しずつノウハウを吸収した。
いかだの付着物を取り除くのは重労働で、成長したかごいっぱいのカキを引き上げるのも力仕事だ。かごを沈めてしまう失敗などもしたという。それでも周囲の人に支えられ、今季の初出荷にこぎ着けた。
現在、同市と宮崎県北部の3市町による「日豊海岸岩ガキまつり」が8月末まで開かれている。道の駅かまえはキャンペーンに合わせてカキ小屋を設け、自前の岩ガキを提供する。評判も上々だ。
早川さんは「リピーターもいて浸透してきた。佐伯の売りは食だけに、がっかりさせられない。おいしい岩ガキをもっと食べてもらえるよう努力したい」と話した。