由布市湯布院町にある太鼓工房「響屋(ひびきや)」。親子が切り盛りする工房で、日本伝統の和太鼓が作られている。 太鼓職人の河野剛士(たかし)さん(37)はこの道15年。2代目として工房作業を担う。創業者である父・勝己(かつみ)さんの元で育ち、幼い頃から太鼓が身近にあった。高校卒業後に就職したが、工房を継ぐため21歳で帰郷。父の指導を受けながら独学でも技術を磨き、職人の魂を受け継いでいる。 作り手の技量で太鼓の音色も変わる。使う時期の気温や湿度、使用頻度などを考慮し、場面に合わせて革の張り方や厚さを変えて調整する。「依頼人によって用途や求められる音は違うので、一人一人に合わせた作り方をする。難しいが、お客さんに喜んでもらえるのがやりがい」 高齢化で地域の伝統行事の担い手が減り、太鼓の打ち手も減少している。後続となる子ども世代が気軽に練習できるよう、扱いやすいサイズの安価な太鼓製作にも挑戦している。「太鼓を通じて、神楽などの日本の伝統文化が盛り上がってほしい」と思いを語る。 伝統の音を絶やさぬよう、これからも太鼓と向き合う。
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