旧居の保存、公開に至った経緯が分かる書や書簡など14点が展示されている=中津市留守居町の福沢記念館
【中津】明治時代の啓蒙(けいもう)思想家で慶応義塾の創始者福沢諭吉(1835~1901年)の旧居(中津市留守居町)が保存、公開されるようになった経緯が分かる企画展「福澤思想をつなぐ―福澤旧居と文化財保存」が、旧居に隣接する福沢記念館で開かれている。市の「学びの里なかつ推進プロジェクト」の一環。3月15日まで。
旧居は1803年建築の木造かやぶきの平屋で、母・順の実家(橋本家)だった。諭吉は15歳ごろ移り、70年に順が転居した際に親類に売却された。その後、中津藩主だった奥平家が購入、1910年に中津町の町有となった。19年からは寄付金を募って保存、整備が進められ、現在も史跡として当時の姿を伝えている。
企画展には書簡や書など14点を展示。「福澤先生旧宅保存費予算」(大正時代)は慶応義塾のけい線用紙に記され、必要経費1万9500円の詳細な内訳が分かる。
大正時代の中津町長が慶応義塾の塾長に宛てた書簡は、旧居を訪れた観光客が勉学に励む諭吉の青年期をしのび感化されていることなどを伝えている。
記念館を管理する福沢旧邸保存会書記の荒木さとみさんは「当初は諭吉の遺徳を継承する目的で保存していたがその後、訪れる人が増え、大正期には観光名所にもなってきたことが分かる」と言う。
昨年夏に記念館に寄贈された、諭吉のおいで実業家の中上川彦次郎(1854~1901年)のシルクハットも特別展示している。
入館料は高校生以上400円、中学生以下200円。問い合わせは記念館(0979-25-0063)。