亀の井酒造が酒米から田んぼの土までこだわって造った日本酒「神への酒」
【玖珠】玖珠町小田の亀の井酒造(長野雄人(たけひと)代表)は地元の契約農家で特別に栽培した酒米を使い、じっくり発酵・熟成させた日本酒「神への酒」を発売した。価格は750ミリリットルで16万5千円。町出身の経営者らによる支援組織が「価値に見合った価格にすべきだ」と勧め、販売をバックアップしている。
江戸時代の享保年間から約300年続く同酒造は2023年、特別な酒の製造に着手。田んぼの土を酒米「五百万石」に適した土に入れ替え、苗同士を離して植えることで通常より養分が行き渡るように育てた。
収穫後、粒が大きい酒米の精米歩合を上げて酵母が分解する糖分のみが残るように削り、同町の冬の寒さを生かした丁寧な発酵と熟成を経てフルーティーな香りと甘みが特徴の酒が出来上がったという。
売り出し方を考えていたところ、小田地区にルーツを持つITコンサルティング業ティーアンドエスグループ(東京都)の稲葉孝政会長(68)が「酒造の伝統を守るため、価値に見合った価格を」と提案。昨年4月に県内外の銀行や航空会社などと「SDGs亀の井酒造を守る会」を結成し、セールスプランの立案などを支援して12月の発売にこぎ着けた。
稲葉会長は「ウイスキーやワインでは珍しくない価格。日本各地の酒蔵の存続に危機感を持っており、このような価格が定着するようしっかり取り組む」。杜氏(とうじ)でもある長野代表(66)は「スポットを当ててもらってありがたい。こだわりの酒造りを続けていきたい」と意気込んでいる。
千本限定。購入は同酒造ホームページで。問い合わせは同酒造(0973-72-0206)。