朝倉文夫の作品の前で「朝倉の思いが乗った梅酒ができた」と話す牟礼鶴酒造の森健太郎代表社員=豊後大野市朝地町池田の朝倉文夫記念館
【豊後大野】豊後大野市朝地町市万田の牟礼鶴酒造は、町内池田の朝倉文夫記念公園で採れた梅の実を使った梅酒を商品化した。「地元産業につながることを望んだ朝倉の夢をかなえる新商品。多くの人に味わってもらい、朝倉や記念館のことを知ってほしい」と話した。
公園は町内出身の彫刻家・朝倉文夫(1883~1964年)の出生地の近くにある。朝倉は晩年、同じく彫刻家の兄・渡辺長男、弟・大塚辰夫と自身の作品を展示保存する芸術空間の建設を計画。自費を投じて土地の取得や造成などを始めた。
敷地内には「花よし、実よし、香りよし」とたたえ、県花を決める際に当時の知事に推薦するほど好んだ豊後梅を植栽。梅の生産地として古里の産業発展につなげようとした。
だが、志半ばで死去し、建設は中断。土地の寄贈を受けた旧朝地町が1991年に公園や作品展示する朝倉文夫記念館を開設した。梅の木は現在300本ほどあり、実は有効に活用できていなかった。
同酒造は2023年にリキュール製造の免許を取得した。地元産農産物を使い、地域活性化につながる商品づくりをしようと記念館に相談。「地域のためになれば」と実を分けてもらい、梅酒造りに着手した。
手間暇をかけて実のヘタを丁寧に取り、自社で醸造した焼酎を使って仕込んだ。「すっきりした口当たりで、味だけでなく、朝倉の思いもしっかりと乗った梅酒に仕上がった」と森健太郎代表社員(48)は太鼓判を押す。
ボトルにかけたタグを持参すると、1人500円の記念館の入館料が2人まで300円になる。
1本500ミリリットルで1540円。同酒造と道の駅あさじ、トキハ本店で販売している。限定700本。
問い合わせは牟礼鶴酒造(0974-72-0101)。